サンティアゴ・カラトラバの建築。
彼の建築は1目見ただけで彼の作品だとわかる程の独創的なデザインであり、数々の有名な作品を残してきた。僕はその中でも、彼の「ルーバー」の使い方に非常に魅了された為、それについて今回記録していく。
サンティアゴ・カルトラバ(1951〜 現69歳スペイン・バレンシア出身の構造家・建築家である。
空に映える白色と、構造計算を駆使して作り上げた骨や翼を組み合わせたようなフレームをトレードマークにしており、アテネオリンピックのスタジアムを手がけたほか、橋梁を多数設計するなど世界各国で活動している。
それでは、本題であるルーバーについて記録していく。
ルーバーとは?
ルーバーは、羽板と呼ばれる細長い板、または羽板状の部材を平行に複数並べたものの総称のこと。(Wikipedia)
彼の建築では次の写真の通り、かなり多くのルーバーが使われている。
写真 : NYに建つ駅 「オキュラス=oculus(ワールドトレードセンター駅)」
引用: https://hash-casa.com/2019/07/10/oculus/
ルーバー状の白い骨格を伝って、天井から自然光が柔らかく注がれる。柱であり梁でもある連続したルーバー状の白い骨格。この骨格は太さが均一ではなく、まるで生き物の骨を真下から眺めているような感覚になる。まさしく世界一美しい駅と言っても過言ではないのではないだろうか。
こんなにも美しいこのカラトラバ建築の「ルーバー」には、実は世界的にもかなり珍しいディテールが施されているのである。それは、
意匠としてのみのルーバーではなく、構造的な役割もそのまま成り立っている
というものだ。
ルーバーとは一般的に板状や棒状の物を並べて日差しや目線などを遮ったり調整したりする為に利用される物であり、本来構造とは関係のないものだが、
カラトラバのものは様は、建築の壁や柱や屋根にあたり、
それ自体が建物を自立させる為の構造となっているのだ。
日本の建築界でルーバーを多用するといえば名前が挙がるであろう隈研吾さんも、基本的に構造は鉄骨で持たせて、デザインとして木のルーバーが利用されている場合が多い。
(写真:那珂川町馬頭広重美術館 )
写真引用: https://haveagood.holiday/spots/55113
https://www.jalan.net/kankou/spt_09403cc3300145898/
すなわち、構造=意匠が成り立っているカラトラバ建築のルーバーのデザインは世界的に見てもかなり特殊だと言えるだろう。
こんなにも精密に考えられたルーバーを構造にまで落とし込むカラトラバ建築を観に、いつかスペイン旅行へ行きたい🇪🇸