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全身アバクロ、ファッショニスタBBA(ババア)

ひと昔前だと感度の高いおしゃれアイテムだったはずなのに、今着てるとイタいと言われがちなブランドはけっこう多い。ゲイの世界では、そういうのがとくに顕著。

その代表格がアバクロ。正式名称はアバクロンビー&フィッチ。
日本に上陸する前は、着てる人が少ないというのと、程よいダメージ加工がアメカジっぽく、サイズ感もセクシーに見えやすいとあってか、昭和のゲイが飛びついていた。
おしゃれに見られたいけど、漠然とカンタベリー着るのもおっさんくさいしどうしよう、と悩むアンテナ敏感なゲイがこぞってネット通販または海外旅行に行ってアバクロを買いあさっていた。
ゲイイベントに行けばガチムチ系が必ずと行っていいほどアバクロを着ていた。人によっては上下アバクロ、、、のような状態。ゴールドジムで鍛え上げた体にぴったりと着るアバクロとハーフパンツ。これで俺決まってるなと言いたげな量産型ゲイで溢れていたあの頃。
そんなアバクロが2009年12月に日本上陸。もう巷は大騒ぎ。いざ銀座に足を運ぶとあり得ない値段設定と、なぜか垢抜けないデザインが目立つ。日本仕様なのかわからないが、ダメージ加工があまりされてないフエルトを縫い付けたブランド名の刺繍が、やけにダサく切なくやるせなく。その頃からか、アバクロ熱がみんな醒め出してきた。
徐々にアバクロ=イケてるおしゃれゲイのブランドから、着てると恥ずかしいイタいブラントに変貌。

「ちょっと、まだアバクロきてんの?この人。やっぱ昭和のファッショニスタBBA(ババア)だね。」

と思われたくないが故に、それを早い段階から察知したゲイは、すかさず着るのをやめ 10代若者向けストリートブランドの定番XLARGEやらフランクリン&マーシャルやらF.A.Tなどをに頑張って移行。(これらのブランドも過去形)
5年ぐらい前まではイギリスのストリート系ブランド「SUPERDRY 極度乾燥(しなさい)」というブランドが流行してたり。このブランド名のせいで、Asahiビールに訴えられるのが怖いからかはさておき、現在まで日本はまだ進出はしてない。
日本に進出しても、今はもうすでにこのブランドも時代遅れ。
そして、時すでに2020年。いまだに生き残っている昭和の全身アバクロBBA(ババア)。多分クローゼットの中には、アバクロとホリスターとアメリカンイーグルとカンタベリーしかないのであろう系の、佇まいの哀愁漂う自意識高めのはずだった初老のゲイたち。気がついたらアメリカンイーグルも日本から撤退。
今の若い子たちはぜったい着ようとはしないアバクロを、いまだにおしゃれアイテムとして信じきってるかは本人のみぞ知る。
ちなみに全身アバクロ初老ゲイの髪型は、いまだにソフモヒ。
今の若い子は、絶対しない。

変な話、アバクロよりユニクロ着てる方が100倍おしゃれ。
栄枯衰退。

結局テキトーに新宿のオシュマンズや無難なチョイスのセレクトショップで買うくらいでちょうどいい。どうでもいい。めんどくさい。

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