【読書】「その男」池波正太郎
幕末から明治へ、数奇な運命を辿った直参の剣士・虎之助の生涯と維新史の断面を描いた時代小説。
この小説で西郷隆盛の生き様を知った。西南の役に引っ張り出され、薩摩軍がいよいよ進退窮まり、西郷自らが陣頭に立つ、と言う。危ないから止めてくれという幹部に
電車内で読んでいて、泣きそう。
武士の時代の終焉は、西郷隆盛ほどの人の惜しまれる最後をもってでしか成しえなかったのだろう。
賊軍として死んだのに、銅像を建立されるなんて他に知らない。
池波正太郎の書くものは若いころによく読んだ。白か黒か、ゼロかイチかではなく、灰色もあるんだ、と若いころに彼の本から諭された。大好きな作家の一人でもある。
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