【エッセイ】"作る人"はいつも"食べる人"のご飯を気にしている
「ご飯食べたの?」
実家を出てから、祖母や母にそう聞かれることがよくある。
わたしはもういい大人なのに。
でも結婚して
"食べる人"から"作る人"になったら
その気持ちがよくわかるようになった。
その方が体調がいいからと、夫が朝食を抜くことを心配したり(今は軽く食べるようになったよ!)
お昼用のお弁当の量が足りるか心配したり
夕食はいるのか?何時に帰ってくるのか?
食べたいものはないか?
とにかく一日中、考えているのだ。
それから人と会う約束をする時
それが微妙な時間だと
それはご飯を済ませてから会うのか?
それとも会って一緒に食べるのか?
それは誰かが作るの?それとも外食?
そんなことも気にする。
夫は訪問営業の経験者なので
「人様のご飯の時間のお邪魔はしない」という考えはあるのだが、なぜか前述の心配や配慮は、わたし程はしない。
やはり現役の"作る人"でないとそういうものなのだろうか。
だから義母に会いに行く時、その連絡をあらかじめしておいてあげた方がいいよと、いつもわたしが勧める。
普段の自炊をするにしても、献立を決めて、食材の買い出しもしなくてはいけないので
その前日や、もっと前の日から考えている。
誰かに"作る人"の多くがそうだと思う。
新婚当時、夫は急な飲み会に行くことが多く
夕食を作って、自分はお腹が空いていても
彼の帰りを待っていたわたしは
その無慈悲な「飲み会に行ってくるLINE」と
出来上がった2人分の夕食を目の前にして
勝手に憤慨したり、涙したりした。
夫は先に食べていていいよと言うのだが
わたしはふたりの夕食の時間が
何よりも大切に思えたのだ。
自分のことだから変な話だが
もし、今のわたしが当時にタイムスリップできたのなら、自分で自分を抱きしめてあげたい
そんなに無理しなくていいんだよ、と。
あの頃のちょっと意固地になったように、毎日2人分を健気に作り続けていたわたしを。
今はお互い職場も変わり
夫は行きたくない飲み会を断るようになったので
以前のようなことはなくなった。
それでも、わたしは
温かい物は温かい状態で出してあげたい!と
夫の帰る時間に合せて、せっせと温め作業に毎晩勤しむ。
今ならはっきりわかる。
それは、わたしが実家にいた頃
「母がずっとわたしにしてきてくれたこと」
だからなのだ。
例え、わたしの帰りが深夜になろうとも。
当たり前のように。文句ひとつ言わず。
新婚当初は特に、ご飯に関して
わたしは母みたいに完璧になりたかった
母みたいにしてあげたかったのだと思う。
うちの夫は別に傍若無人なモラハラ男ではないから、わたしが無理をする必要は全くない。
彼自身、自炊経験もあるから
買い物や献立、料理、片付けまでの流れが
どんなに大変かということを知っているから
理解がある。
感謝の言葉も、味の感想もある。(毎回じゃないけどね!)
実はこれはかなり幸運なことだと
色んな人の体験談を聞いて最近知った。
わたしの父にはこれがなかったのだ。
それでもこなしていたわたしの母
やっぱりすごい!
わたしなんて、お弁当や食事の
「ごちそうさま」が
夫から時々ないだけで
ちょっとムッとしてしまうもの。
先日、YouTubeでハリセンボンの春菜さんが
その気持ちを代弁してくれていた。
ちゃんと伝えてくれることが
作った人は嬉しいのだと。
本当にその通り。
わたしも"食べる人"がみんな「きのう何食べた?」のケンジ(内野聖陽さん)みたいだったらいいなと願う。
(あんなに大げさじゃなくていいから。気持ちの問題。)
おいしかったらおいしいと言ってくれたら嬉しいんだよ。
感謝を言葉にして伝えてくれたら嬉しいんだよ。
それが「自然に」できる人は
"作る人"の最強の味方だ!
"作る人"って想像以上に
"食べる人"のこと
考えてるよ。
/
"作る人"と"食べる人"が
HAPPYな食卓が増えますように…🍀🧑🍳
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