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既存顧客限定イベント「店長・スタッフの主体性の引き出し方を学ぶワークショップ」レポート

■はじめに

顧客とブランド、企業と従業員、そして従業員と顧客とが相互に好循環する企業づくりを支援しているコンサルティング会社である私どもエンゲージ。
クライアント同士が意見交換する場や、交流する機会、無料オンラインセミナーなども開催し、横のつながりでクライアントがヒントを得る機会も提供しています。
 
今回は、そんなクライアント同士が情報共有できる既存顧客限定のワークショップ形式のオンラインイベントを開催しましたので、ご紹介をさせていただきます!

■イベント概要

●日時…2024年4月17日(水) 15:00〜17:00
●会場…オンライン(zoom)
●参加者…株式会社エンゲージのお取引先様で、こちらからお声がけさせていただいたエリアマネージャーなど複数の店舗を管理されている方限定

■VOCについてのレポート「VOC活動と業績の関係性」

「VOCを活用したチーム運営を続けたい!薦めたい!そのように支持できる状態になったメンバーが多いチームほど、業績が良い」

イベント冒頭でお話しした、弊社のあるクライアント様の調査で新たに明らかになった結果をこちらでも共有させていただきます!
 
今回、下記三つの要素を分析して、その関係性をしらべてみました。
①   従業員に対しての調査(VOCの活動で良い変化はあったか、この活動を続けたいと思うか)
②    お客様に対しての調査(NPS)
③    業績

この調査の結果、“VOCを活用したチーム運営を続けたい”と考えるメンバーが多いチームほど、業績が良いということが数値で確認できました。

こちらのクライアント様の場合、売上に直接影響を与えている相関が高い項目は「お声がけのタイミング」そして「商品提案」なのですが、この二つの項目に大きな影響を及ぼす要素が、従業員に対しての調査から明らかになりました。それは「チーム内のコミュニケーションの質の変化」です。
そしてその「チーム内のコミュニケーションの質の変化」を感じているスタッフの多くが、VOCを活用したチーム運営を今後も続けるべきだと考えていました。
 
更に、「チーム内のコミュニケーションの質の変化」に影響を及ぼした要素も、今回明らかになりました。
それは、複数チームをマネジメントするリーダー層を対象に実施した“リーダーシップ研修プログラム”です。コーチングに係る知識とスキルを軸とした、この研修プログラムを受講したリーダーの多くが、これまでとは違うコミュニケーションを、VOCを活用する現場で実践しました。
結果、そこで働くメンバーは、以前に増して自分の存在を認められ、尊重されている実感を得て、その上で各々がVOCに向き合い、店頭での接客に活かす、そのような行動に繋がりました。その結果、着実にお客様からの評価が高まり、「お声がけのタイミング」「商品提案」の満足度が改善していきました。そして、業績に良いインパクトを与えていきました。

つまり、VOCを続けたい、大事にしたいと考えているスタッフ、メンバーが多いチームは、リーダーの学びをきっかけに、チーム内のコミュニケーションの質の変化を実感し、そしてそれがお客様へのお声がけのタイミングや、商品提案の質を向上させ、お客様満足度を高め、売上があがるという変化が訪れているのです。
 
人は学び成長する存在。そしてチームもまた同じです。
ただし、研修などの学びを経て、実際にそのスキルを用いて行動を変えることができるかどうか、チームの行動変容ができるかどうかで、良い変化を生み出せるかが変わります。そのためにも、学びをすぐに活かせる場と機会をいかに組み込むかが重要となります。
加えて、過去の成功体験や誰しもが持つ思い込みに偏ることを避けるためにVOCを取り入れることが重要です。
その上で、VOCを活用したチーム運営を支持する状態にいかにメンバーを巻き込み引き上げていくか、このことがいかに重要かということがわかる事例となりました。

■10分研修「チームとしてのコミュニケーションについて考える」

VOCの重要性が、冒頭ご紹介した事例からもご理解いただけたかと思います。
そんなVOC活動を促進する上で欠かせないのが、チームとしてのコミュニケーションです。
そこで、ワークショップの前に弊社の加賀谷が講師となり、今一度「チームって、コミュニケーションってなんだっけ?」と考える簡潔な研修の時間を設けました。

・チームとしてのコミュニケーションに目を向ける目的と背景

端的にいうと、「事業の現場にプラスのインパクトをもたらすこと」が目的です。
会社や組織のチーム、チーム間の適切な意思疎通によって、従業員同士の連携を深め、チームを機能させ、事業活動を円滑に進めることが必要ですよね。
不安定で不確かなビジネス環境下で、コミュニケーションは、成果をあげ続けるために非常に重要です。リーダーのトップダウンや一部の優秀な社員に頼るだけでは限界があります。全員が安心して発言できる環境、心理的安全性が重要なのです。
また、コミュニケーションが不足するとコンプライアンス違反や生産性の低下、高い離職率といった悪影響もあります。

・企業組織におけるチームとは、チームのコニュニケーションとは

チームの定義として、明確な目標が共有されていることが必要です。そして、メンバーが互いに助け合い、情報を共有し、相互フィードバックを継続することでチームとして機能します。これがないと、ただの個人の集まりになってしまいます。
決して、仲良くなることが目的ではありません。仲良くなることはもちろんいいことですが、それはチームとしての活動の結果でしかありません。残念ながら、成果の低いチームには、仲良くなることが目的化してしまっている共通点があります。
そして、チームコミュニケーションとは、「共通の目的を達成するためになされる意思疎通」だと定義します。
チームの目標を達成するためのコミュニケーションはとれているだろうか?「チームが達成を目指す目標とその目的を理解しているか?」「チームの仲間全員が、それを理解して腹落ちしているか?」一度たちどまり、確認しあう時間を取るのはいかがでしょうか。
みなさんの事業の現場にプラスのインパクトをもたらすために。

■ワークショップテーマ「店長・スタッフの主体性を引き出し、チームとしての望ましい未来を実現するためには」

参加者の方々に、グループに分かれていただき、テーマに沿って話し合いをしていただきました。その後、何人かの方に話し合った内容を全員に向けて発表していただきました。
事例や課題の共有がなされ、大変有意義な話し合いになりましたので、テーマごとに発表していただいた意見をまとめさせていただきました!

◇テーマ1. 私から見えるVOC(NPS)を活用した活動をおこなうチームの“いま”

「弊社がまだVOCを活用しきれていないというところがありますので、他の方々の意見を聞いて、そちらを参考に活かそうと考えました。
回答数が多い時には全てを見きれていないということが課題で、一人で見るのではなく複数名でコメントを見られる体制づくりが必要だと学ばせていただきました」

「ベテランから初心者、社員からアルバイトまでたくさんのスタッフがいる中で、全員に目的を正しく理解してもらう方法について、どうすればいいのか話し合いました。
同じ気持ちを共有し、盛り上がりすぎて時間が足りませんでしたね」

◇テーマ2. 私が、いま思い描く半年後のチームで起こりそうな未来とは

「経営者はネガティブな声が店舗側に見えないように設定をしていますが、そのことを店長に伝えると“知らなかった”と言われました。そういう安心して取り組んでもらえるようにしていることをしっかりと伝えることも、心理的安心につながりコミュニケーションの質において重要だと感じましたので、しっかりと意思疎通をして安心という部分での伸び代がありそうだという話をさせていただきました」

「弊社ではまだ本運用をしていないのですが、この2ヶ月仮運用をおこなってきました。4月からのスタッフの入れ替わりや、新入社員の入社を迎え、お客様の声をポジティブに捉えて活かし、半年後にはお客様の声を主体とした会話を店舗内で増やすという目標があります。
業務に追われることなく、目的を見失わずに取り組めれば、プラスのコミュニケーションが増える半年後になっていると考えています」

◇テーマ3. 一年後、私が願う、チームとして起こっていてほしい望ましい未来とは

「VOCの取り組みがなくても、直接お客様からお声をいただける関係性を築くことができればいいなという話をしました。ですが現実的には、やはりVOCは重要で、メンバー全員が自分のこととして取り組み、活発なコミュニケーションをおこなうことが大切だという話をしました。
やはり、“変化がない状態”というのは望ましくないというのはみんな同じ気持ちでしたね」

「やはりNPSが、社内および店舗のスタッフに浸透していること。お客様の満足度を重視する姿勢が各自に根付いている状態を目指しています。
こちらのルームでも、現在の状況から変化がないというのは良くないという話になりました」

■参加者の声

小売店事業者Uさま
「他企業様の取り組みや課題もざっくばらんにブレストができとても参考になりました。
ブレストの中では、回答してもらうことが目的となってしまいその先になかなか進めていない点や各社レイヤーが違う方にNPSの取り組みをどう理解してもらうかを苦慮されていたりと現場の悩みは各社ともに重なる部分が多いことを再認識し、良い機会となりました。」

小売店事業者Mさま
「現状と半年後、そして自分が願う、望ましいと思うチームとしての未来について他社と交えてディスカッションをおこないました。
・全員に目的を伝えることの大切さ、難しさ
・VOCを活用できるメンバーをどのようにして増やしていくか
同じような悩み・課題を抱えていることが分かり、他社の取り組みを知ることはとても参考になりました。」

Kさま
「勉強会に参加して、各社のNPSへの取り組みの優先順位が高いことがVOC活用に大きく左右されるのかなと思いました。
店舗で活用というよりは本部担当も深くかかわっているため、お客様の声を見逃しても誰かが気付けるような仕組みつくりがあるとよいですね、とアドバイスも頂けました。
このような会に参加できとても有意義な時間でした。ありがとうございました。」

■まとめ

今回のイベントでは、VOCを活用したチーム運営が業績向上に直結している事例のご紹介、そしてチームとしてのコミュニケーションという大きなテーマのもと、VOCについて議論していただきました。
私どもエンゲージでは、VOC活用の支援はもちろんのこと、ファッション業界や小売業の横のつながりを強化したいという想いもございます。
定期的にこのような機会を設け、我々がサポートしているブランド、クライアント様がお客様から支持を得て、ずっと残っていけるブランドに成長するお手伝いを、これからも頑張っていきたいと思っています!

今回参加いただいた皆様にご利用いただいているVOCツールが「x-gauge」です。
https://en-gauge.jp/x-gauge
ご興味のある方は、ぜひ、お問い合わせください