【連載】#6 会社を辞めて旅に出た話(バックパッカー)
タイ(バンコクへ)
2015/10/09〜
ビエンチャンからバスで3時間でタイのウドンタニーへ行く。
国境ではバスの乗り換えはせず、タイ側で同じバスに乗り込む。
バスのなかは5人くらいはちゃんと席に座れていない状態。
席番号も決まっていて限られた人数分のチケットを売っているはずなのに何故こうなるのかというと、座席数とチケットの数が一致していないからだ。
僕の座席番号は10Cであったが、10Aと10Bしか存在しないのである。
最後列であったので、座席番号のふられていない最後尾真ん中のスペースに座る。
地元の人は慣れているようで小さなプラスチックの椅子を持ち出してきて座っている。
乗客はほとんどがラオス人かタイ人のようだ。
旅行者は一割程度か。
国境越えはスムーズに終わった。
ウドンタニーは大きな街、ショッピングセンターには最近できたユニクロも入っていた。
かといって物価は高くないので、長期滞在するには居心地がいいらしい。
既にリタイアしていそうな日本人男性や白人男性の集団を見かけた。
ウドンタニーで一泊し、バスで南へ一時間半のコンケンへ行き、次はさらに南のナコンラチャシーマー(コラート)でそれぞれ2泊づつ過ごした。
居心地は悪くなかったのだが、どうにも退屈で早々とバンコクまで来てしまった。
バンコクでは前の勤め先で仲良くしてもらっていた友人に会う予定。
彼とともにカンボジアのシェムリアップへ向かう。
彼が着くまで時間があるが、旅行に必要なものを買い揃えるのにはバンコクは十分な場所だ。
旅行に出て気づいたのはTシャツはユニクロのエアリズムが良いということ。
夜に手洗いして干しておけば朝には乾いているの2セットあれば軽く回せる。
しかも軽くてかさばらない。
寒い地域に行くときは衣類ももっとかさばるのでいい方法を考えないといけない。
シェムリアップ(カンボジア)
2015/10/17~
バンコクで無事に友人のギョーダと合流できた。
彼とともにカンボジアのシェムリアップへ行く。
バンコクからは国際バスが出ているらしいが、より安いバスがあるとの情報を得ていた。
バスはカンボジア国境付近の町ポイペトのカジノへ行くためのカジノバス。
バンコク中心部にあるルンピニ公園から早朝のバスがでているので朝6時に公園へ向かう。
バス停らしい場所に着くと、「カンボジア?ポイペト?」とおじさんに聞かれる。
30分程待つと、バスが来た。料金は300バーツ(1000円程)。
バス自体はスペースも狭くないし、リクライニングも出来るので良かった。
4時間程で国境付近タイ側のアランヤプラテートに着く、歩いてイミグレを抜けてカンボジア側へ。
カンボジア側のイミグレは少し歩いたところにあったが、気づかなければ通り過ぎてしまうほど存在感がなかった。
入国して無料バスでバス停まで行き、タクシーでシェムリアップまで向かった。
タクシーは2時間で僕らはフィリピン人旅行者と3人でシェアしたので一人16ドル。
一台48ドルだ。
シェムリアップに着いたのは16時頃だった。
シェムリアップにつくと日本語を少しだけ話す現地人に案内され、宿へいく。
一泊一人5ドルでエアコンつきのツインルームだ。
良い部屋ではないが汚くはない。シェムリアップは砂が多い。
ホテルの廊下は窓を開けっぱなしなので、砂が入ってきてしまっている。
宿にチェックインしてから、この日本語を話す男(ドリー)が僕らがあと二日滞在すること、アンコールワットとベンメリアを見たいということを知ると、プランを組んでくれた。
しかし、ドリーは料金のことは一切言わず、どんどん話を進める。
僕らは彼の話を聴きつつも、都度、料金次第である旨を申し出ていた。
ドリーは「料金はあなた次第でいいから、とりあえず、アンコールワットの夕日を見に行って、その後でご飯を食べよう」と言った。
通常、アンコールワットはチケット(一日20ドル)を買わないと入れないので今日夕日を見れればラッキーだと思ったので、ひとまず夕日は見に行く。
その後、ご飯につれていかれる前に料金を聞いた。
彼らとしてはご飯を一緒に食べてからツアーの話をしたかったようだが、こちらとしては料金が高い場合、他を探さなければならないので、今教えて欲しいと懇願した。
話を聞くと、今日のアンコールワットの夕日・明日一日でアンコールワット・トム・車で片道2時間のベンメリア・翌日にトンレサップ湖の水上マーケット等のツアー。
全て込みで一人65ドル。(その他数ドルの各所での入場料は発生する)普通ベンメリアだけでも一人30ドルくらいはすること、団体ツアーに参加ではなく車チャーターできることを考えれば悪くはないと思ったので、彼らに頼むことに決定した。
その場で支払いを済ませて、彼らとご飯を食べに行った。
翌日は早朝からアンコールワットの夕日を見て、遺跡を堪能した。
アンコールワット・アンコールトム・ベンメリアはどれもすばらしく、一見の価値はありだった。
敷地が広いため全ては見切れなかったが、十分に楽しんだ。
↓アンコールワットから見た朝日
↓これはベンメリア、森の中に埋もれた遺跡。
まさにラピュタの世界。
最終日はトンレサップ湖。
しかし、町を出発する前にドリーが30ドルのチケットが必要だと言い出した。
チケットがないと入場できないし、水上の家も見れないと言う。
僕らの顔は怒りで引きつっていた。
「じゃあとりあえずそのゲートまで連れて行ってくれ」と言ったが、ゲートはメコン川沿いでそこにいっても湖も家も見れないという。
ドリーは「シンジルカシンジナイカハアナタシダイ(笑)」とにやにやしている。
それでもゲートまで連れて行かせれば良かったのだが、正気を失っていた。
腸が煮えくり返っていたが、せっかくの友人との旅行・30ドル払えばボートツアーに行ける。
このまま街にいてもすることがないので、ツアーに行くことにした。
この「せっかくの旅行」と「払えなくもない金額」がぼたっくりをする人たちのターゲットだ。
メコン川沿いには確かにゲートらしきものはあったが、ノーチェックだった。
ボート乗り場でチケットの値段を聞くと一人25ドル。
確かにボートに乗らないことには湖は見れなかった。
しかし、メコン川にも水上の家はあるので、陸から多少見ることはできる。
ボートツアーでは水上で暮らす人々の生活を見ることが出来るので、これも一見の価値はありだった。十分楽しんだ。
途中、小学校に寄ることになった。
ガイドによると、「小学校には親のいない貧しい子供達がたくさんいる。この子達に寄付をすることは可能だがお金を渡すのは良くない。小学校に行く前に店に寄って米をいくらか買ってから、小学校に行って米を渡す流れが良い」とのこと。
小額であればかまわないと思ったので、ひとまず店に行く。
「チャリティ」との表示がある家だ。
中に男が一人いて彼の話を聞くと、米30キロのバッグが一つ30ドルだという。
とてもじゃないが30ドルは払えないので、寄付として2ドル渡そうとしたところ、愛想の良かった彼の顔は激変し、私の寄付を拒絶した。
私たちは謝罪をして店を出た。
小学校にも寄る気持ちになれなかったので、寄らずにツアーを終えた。
あれはチャリティではない。
本当にチャリティであるならばいくらであれ受け取るはずだ。
2ドルあればカンボジアではレストランで食事が出来る。無職で貧乏旅行をしている僕にとっても大金だ。
ツアーの最後にいやな気分になってしまった。
残念ながら私たちがカンボジア人に対して持った印象はとても悪い。
それが私のなかでの国のイメージを決めてしまうことはとても残念だ。
どの国にも良い人・悪い人はいるが、残念ながら悪いほうにばかりあたってしまったのだろう。
カンボジアにもう一度行こうとは、今は思えない。
まず、ぼったくり、うそをつく。客引きが強引過ぎる。勝手に話を進める。
空港までのトゥクトゥクは約束の時間になっても迎えに来ない。
胡散臭いチャリティ。勝手に何かを始めて後からチップを要求してくる。
これも含めて旅行の楽しみではあるが、せっかくの旅行でいやな気持ちにさせてしまってギョーダには申し訳なかった。ごめんなさい。