「君の名は」を見た時の感想(2016年の記録)
過去日記を見ていて、「君の名は」を見に行ったときの感想が出てきたので残しておく。
前から見ようと思っていたので、ネット記事も友達の感想も読まず、真っ白な状態で来たが、大正解だった。そして、恋愛映画なのかと思ったら、これはSF映画ではないか! もっとしみじみ泣く気で来たのだが、SF的仕組みにぐっと引き入れられ、息詰まる思いで画面を凝視。時としてスーパーリアリズム絵画のように描き混まれた背景は、ジブリとは全然違うが、作り込まれた丁寧さは通じるものが。特に新宿の副都心の光景は、実物を見るようなリアルさ。
とりかへばやと、タイムパラドックスという二つの仕掛け、どうしても破綻するところがあり、ググレカス、とか、歴史的カタストロフィを、カタストロフィ後の子が気づかない鈍感さとか、スマホ文化のドッグイヤーとか、難癖はどれだけでもつけられる。また、恋愛映画ではない、と思ったのは、単に、身体が何回も入れ替わったことで、お互いの存在を強く意識することになった男女がお互いに感じる感情は、それは恋愛ではないだろう、と思った訳で。瀧が、手首に巻いていた紐のエピソードにはあっと言わされた。
イメージ的に一番近かったのは、村上春樹の「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」だったかも。
繰り返し出てくる隕石の光景の美しさは、後になればなるほど、涙が出てくる。
といったところで。劇場の大画面で見てよかった。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?