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毎日読書メモ(263)『よろこびの歌』(宮下奈都)
宮下奈都『よろこびの歌』(実業之日本社文庫)の感想。これを読んだ後、すぐ、続編の『終わらない歌』も詠んだのに、そっちの感想が見つからなかった…。
宮下奈都は、すごくはまる時とはまらない時があるのだが、これははまる方でした。読んで幸せな本。最近若者の、集団の中での立ち位置を意識した息苦しさを描く本が多いよな、と思っているのだが、色々な事情で、あまり強く望まず、この新設の私立女子高に来た少女達それぞれの事情、与えられた場であった合唱祭で全く盛り上がらなかったクラス合唱がどういうきっかけで、大きなうねりとなっていくかが、少しずつ、丁寧に描かれる。最後はちょっと泣きそう。完結した物語だと思っていたが、読書メーターを見て、続編があることを知る。読まなくちゃ。(2013年1月の読書メモ)