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近藤史恵『エデン』『サヴァイヴ』(毎日読書メモ(419))

近藤史恵のサイクルスポーツもの。『キアズマ』は前にあげてある(ここ)。『サクリファイス』(新潮文庫)の衝撃、感想文が見つからないので当時の驚きを紹介できないが、その後のチカの物語を幾つか。

近藤史恵『エデン』(新潮社→新潮文庫):『サクリファイス』に圧倒された後、待ち望んでいた続編をようやく読む。ミステリーの真相としては『サクリファイス』ほどの驚きはなかったが、しかし、フランス人固有の文化、価値観がきちんと説得力をもって描かれ、今回の事件の真相もまた、わたしの知らない世界のことでありながら、きちんと腑に落ちた。ツール・ド・フランスの長丁場感は感じられたが、その分レースシーンの描写そのものは少なめで、小説の中の疾走感はやや欠けた感じだったかな。チカの成長がますます楽しみ。(2011年6月の読書メモ)

『サヴァイヴ』(新潮社→新潮文庫):短編集の中で、自転車ロードレースの中の物語が、色々な人の視点から語られる。レースを見たこともないのに、まるで自分が体験したような気持ちで読めてしまう、名作だ。チカ、もっと強くなれ(レースの成績でも、人間としても)。(2012年4月の読書メモ)


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