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毎日読書メモ(214)バスケットボールの話

2012年の暮れに、大阪の高校で、バスケットボール部の主将をつとめていた男子生徒が自殺し、それが、部活の顧問の虐待に起因するものだった、という事件があった。その時に顔本に書いた日記、毎年1回読み返しているが、未だに辛く悔しい思いがする。亡くなった子はうちの子どもと同い年で、うちの子も当時バスケ部に所属していたので、胸に迫るものが殊更に大きかったが、バスケに限らず、運動部全般の問題として、考えさせられるものがある。箱根駅伝見ていても思うが、監督・顧問の存在は本当に大きく、自分の判断で動ける天才はほんの一握りであることを、9年たった今でも思う。まぁチームスポーツを全員が自己判断で動いてしまえば統率が取れなくなる、ということもあるのだが...。

2013年1月9日の日記
最初にニュースを聞いたとき、体罰が辛くて自殺する位なら、部活なんて辞めちゃえばいいのに、と思った訳です。しかし、調べていたら、この高校は、1年おきくらいにインターハイに出場している強豪校であることがわかりました。今、県の代表になっていけるようなチームって、公立でもスポーツ科・体育科を設けて、実績のある子どもを集めてチームを編成しています。入試要項も読んでみたが、体育科・スポーツ健康学科の項目には「入学した生徒は、本校に設置されている運動部に所属することを原則とします」と明記されている。スポーツできない程の大けがでもしない限り、部活を辞める、という選択はなかったってことか。
バスケットボールの試合をもう7,8年見てきていますが、まぁバスケに限らないが、優秀な指導者・監督が動きとか作戦とかを決め、勘よく状況を把握し、指導者の言う通りに動ける子が優秀な選手です。頭で考えて動くのではなく、決められた動きをどれだけ忠実にこなせるか、で選手の優劣が決まっている感じです。
しばらく前に深田祐介が、JALラビッツという、女子バスケットボール実業団チームに取材して書いた小説(半分ノンフィクション?)『翔べ! ラビッツ―新世紀スチュワーデス物語』(文藝春秋)を読んだのですが、大学の体育会バスケットボール部で活躍し、プロになった子ですら、監督が言うように動いているだけで、外国から監督を呼んで、全く新しい作戦で戦うことを指示すると、そんな戦い方があるのか、とすごく驚く、と書いてあって(乱暴な要約)、大人になるまで十年以上第一線でバスケをやっていても、選手は監督無しには動けないのか、と驚いた。
監督が言うように動ける選手がいい選手らしい。たぶんバスケに限らず。その際の状況判断力と運動能力で強さが決まる(そう考えると、桜木花道って本当に空想の産物でしかないのかな、と思えてくるよ)。
主将までやっていた子だから、運動能力も高かっただろう。それでも、監督の言うように動けなくて体罰を受け、それに対抗する手段として、自死しか選べないなんて、と、考えれば考えるほど悲しみがこみ上げてくる。
たぶんもう十年くらいずっとバスケばかりやっていた子なんじゃないかな。親も、こんな事になるためにバスケの応援をしてきた訳ないのに。
押しの強さがなければ、指導者として大成しないのかもしれないが、その勝利は本当の勝利じゃなかったってことじゃないか。みんながにこにこ仲良くやっていればそれがいい部活か、っていうとそれも違うような気がするが、子どもが死にたくなるような部活は恐怖政治でしかないよ。優勝したら帳消しになる恐怖政治なんて、ないよ。
(日記ここまで)

何人かの友達に真摯なコメントを貰い、自分自身が追加で書いたコメントは以下。

わたし自身は体育・スポーツ大嫌いで、運動部なんて絶対ありえない、と思って育って来たので、子どもたちが、週6〜7日部活に行ってるだけでも信じられない。勝つ、とかそういう目標があって、それが努力(或いは本人の天才性)によって達成されるのじゃなければやってられないよね、と想像するのだが、違うんだろうか? 死んでしまった子は、ずっと、バスケが上手でほめられて来て、自分も努力と才能によって、それなりのところまでいける、と信じて高校に入り、実際にその努力及び才能によって、主将に選ばれた訳だよね。バスケ界のエリートだった筈。バスケは、競技人口は野球やサッカーより少ないけど、試合に出られる人数も少ない。本気の戦いだとスタメン5人で交替なしで戦う場合だってある。この5人に入るためにこれまですごく努力してきたんだと思うのに、それが体罰によって絶望にかわるなんて、なんてかわいそうなことだろう。挫折を知ることも大事だが、乗り越えなければそれは意味のない挫折になってしまう。
(コメントここまで)

読書日記とは趣旨がずれるが、残しておきたくなったので。

#読書 #深田祐介 #翔べラビッツ #バスケットボール #スチュワーデス物語 #運動部 #体罰 #桜木花道

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