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毎日読書メモ(143)『ナオミとカナコ』(奥田英朗)

奥田英朗『オリンピックの身代金』(講談社文庫)の感想書いたら(ここ)、人に勧められたので『ナオミとカナコ』(幻冬舎、現在は幻冬舎文庫)を読んでみた。これも動機の弱い犯罪(いや、弱いかは判断難しいが、犯罪を犯した後のメンタルが不思議な犯人たち)。ナオミのデパート外商の仕事の部分が面白かった。お仕事小説好き。そして、この監視社会をこんなに認識しないでこの人たちは生きているのかという驚き。Nシステムとか、マンションやコンビニの監視カメラ、東野圭吾『ブルータスの心臓』でNシステムを認識し、映画やドラマの「DEATH NOTE」は夜神月やがみライトがキラであることを気取られないように監視カメラ網をかいくぐっているのに、ナオミとカナコの危機感のなさは何? 逃避行の部分は『オリンピックの身代金』ばりの運頼み。ページをめくる手の止まらない面白さだったが、君たち伊坂幸太郎でも読んで監視社会について考えてみなよ、と主人公に言いたくなるそんな小説。(2016年5月)

本を読む直前くらいの時期にテレビドラマ化もされていたが、そちらは見ていない。ナオミとカナコに女優の顔のイメージは付けないで読むことをお勧めしたいです。

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