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毎日読書メモ(252)『キアズマ』(近藤史恵)
近藤史恵、色んな作風の作品があるけれど、最初はとにかく『サクリファイス』に心を撃ちぬかれた。『キアズマ』(新潮文庫)も自転車レースものだが、『サクリファイス』に始まるチカ物とはちょっと系統が違う。しかしこれはこれで別の味わいが。過去の読書メモより発掘。
近藤史恵のサイクルレースものは実にいい! 『サクリファイス』や『エデン』で戦慄したのとは違った種類の、白熱する気持ち。初心者の大学生が、自転車の才能に目覚め、もがきつつ疾走する。そのスピード感がたまらない。何かにのめり込んでいく気持ち、それと裏腹の人間関係の難しさ。障害を負った幼なじみとの葛藤。様々な気持ちが今の自分を作っている、というのが丁寧に描かれている。正樹の未来はどうなる?(2016年3月の読書記録より)