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毎日読書メモ(262)『アンの想い出の日々』(上下)(L.M.モンゴメリ)
ルーシー・モード・モンゴメリ『アンの想い出の日々〈上〉 〈下〉赤毛のアン・シリーズ 11』(村岡美枝訳、新潮文庫)、原題は"The Blythes are Quoted"。
上巻:久しぶりに会った旧友のような本。原作名が「ブライス家に言及する人達」みたいな意味合いなので、アンやその家族の話を話題にする人たちが主人公で、ちょっとブライス連呼がくどく感じられたりもするが、下った時代にウォルターを懐かしむアンとスーザンと家族達の姿が切なく、懐かしい感じ。小説部分については、ネタが簡単に割れるものもあれば、思いがけない展開のものもあり。(2012年11月の読書メモより)
下巻:『アンの娘リラ』より更に時代は下り、登場人物たちは、アンの孫世代になっていく。ややステレオタイプに偏屈な愛情と和解の物語が語られ、合間に、アンの家の炉辺で、アンやウォルターの詩を読む家族たち。今度は第2次世界大戦に従軍していく若者達。その中でも、美しい光景の中、人は愛し、愛され、憎み、憎まれる。懐かしい友人と再会したような気持ちでゆっくりと読んだ。(2013年1月の読書メモより)
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