毎日読書メモ(102)『いまどきのこども』(玖保キリコ)
昨日日帰りで長野まで行って、朱雀食べてきて(それはまた別の話)、今日は反動でぼーっと過ごす。ぼーっとしている合間に、遅々たる歩みながら片付け。洋服ダンスの中から玖保キリコ『いまどきのこども』(1~13巻、小学館)が出てきたので、久々に読む<それって片づけになっていない典型的なパターン。
週刊「ビッグコミックスピリッツ」に連載されていた頃、雑誌でぱらぱらと読み(あの頃は誰かが買った漫画雑誌がどこかに置いてあったりしたものだった)、単行本になったのは自分でずっと買っていた。Wikipediaによると、掲載誌は
ビッグコミックスピリッツ:1986年6月9日号〜1991年4月5日号、1987年〜1991年増刊号
小学一年生:1991年6月号〜1994年11月号
小学六年生:1991年5月号〜1994年3月号
らしい。30年前だ。昭和に始まり、途中で平成になって、静かに終わっていった感じ。小学生の子どもたちの光景は、普遍的なようでもあり、描かれている風俗はまさにバブルでもあり、という、妙な懐かしさのあるエピソードたち。
主人公キリ太たちは小学校低学年。キリ太の同級生スネ夫に、姉ツネコがいて、ツネコは玖保キリコの出世作『シニカル・ヒステリー・アワー』の主人公だった。『シニカル・ヒステリー・アワー』は少女漫画誌「Lala」の連載で、白泉社から単行本が出ていて、現在は白泉社文庫に圧縮されて全6巻で刊行されている模様(こっちも単行本で持っていたが、うちにあった単行本はどこに行ってしまったんだろう...)。こちらも愛読していた。そして、『シニカル・ヒステリー・アワー』の枝篇、『ロジカル・アレルギー・アワー』に出てくるいちろうさん、みちこさんという双子の姉弟が大好きで、双子いいなぁ、と思っていたら本当に双子を産んでしまったのは、まぁ別の話。
『いまどきのこども』に戻ると、明らかに雑誌の購読層とはかけ離れた年齢層の登場人物たちが、世相とは少し離れた場所で切磋琢磨しているのだが、年の離れた兄姉や、両親、親戚などとの接触により、時代に触れている感じ。30年たっているので、ジェンダー観のようなものはちょっと古臭い感じもあるが、天然なキリ太、無口だけれどヘヴィメタに傾倒しているツグム、モテの追及をしているのに、考えすぎていつも空回りしているタクミの3人を核に、子どもたちはある意味時代を超越して、子どもらしく成長している(成長しているのか、やや謎ではあるが)。久々に読み返したら、細かいエピソードまで結構覚えていて、当時何回も読んだんだったな、と懐かしくなる。ミスタードーナツとのコラボグラスを貰うためにドーナツ買ったり、イラストをあしらった飲料を発売したのをコンビニに買いに行ったり(そうだ、当時はオフィス街にはコンビニエンスストアがなくて、コンビニ展開商品を探してオフィス周辺の酒屋とかたばこ屋的な店とかを回ったりしたのだった)、そんな些細な消費活動までが懐かしい。
玖保キリコは、20世紀のうちに、イギリス人と結婚して渡英してしまって、その後の著作はあまりきちんと見ていないが、今でも元気にかつどうしているようだ。ご本人のサイト見に行ったら、ブログは毎日更新されている模様。懐かしがっている場合ではないね。
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