毎日読書メモ(247)『向日葵の咲かない夏』(道尾秀介)
一時、道尾秀介を必死に読んだ時期があった。『向日葵の咲かない夏』が話題になっていて、それが文庫本(新潮文庫)になったときに読んだ。
一人称の語り手のブラフを疑って読め、と、何作か読んでわかったが、わかって読んでもまだ裏切られる、その技量に毎回驚かされた。
ブラフがこの人の持ち味なので、ずっと色んな事を疑いながら読んでいたが(登場人物少ないし、そもそも疑える対象が少ない)、それでも、この展開には驚愕。設定のつたなさが、作者の筆力不足なのか、すべてが計算なのか、とか引っかかりはいっぱいあるが、それも全部持ち味なのかなぁ。(2009年7月の読書記録より)