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HAPPYな日本美術 伊東若冲から横山大観、川端龍子へ(山種美術館)
10月に福田平八郎展に一緒に行った友達と、再び山種美術館訪問、「HAPPYな日本美術 伊東若冲から横山大観、川端龍子へ」は2024年12月14日~2025年2月24日。会期あと約2週間だが、そんなに大混雑でもなく、日本画の名品を「めでたさ」でくくったキュレーションを楽しめる、楽しい展覧会である。
前回広尾駅から歩いたら、細い道を何回も曲がって、地図ガン見状態になったので、今回は恵比寿駅から。ゆるい上り坂だが(広尾からでも上り坂でした)、一本道でわかりやすく、天気よければ気持ちいい散歩。
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会期中の展示入れ替えはなし。展示品はほぼ全点日本画。最後に小出楢重の「子供立像」という油彩画が1点(周囲の他の絵と、濃さが違って割と強烈な印象)、それと古墳時代の埴輪「猪を抱える猟師」と室町時代の「迦陵頻伽像」(木像)以外の52点は日本画だった。
ほぼ全館撮影不可。今回撮影可だったは埴輪「猪を抱える猟師」のみ。
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めでたさをいくつかのテーマで分け、
「第1章 福をよぶー吉祥のかたち」
【新春を寿ぐ】高砂とか一富士二鷹三茄子とか、今年の干支の巳の絵とか。
【おめでたいトリオ 松竹梅】は横山大観、川合玉堂、竹内栖鳳で松と竹と梅の絵を一双ずつ描いた連作、横山大観、川合玉堂、川端龍子の連作など、下村観山の「老松白藤」という金屏風が大作で印象的だった。
【生き物に込められた吉祥】は五客図(鶴は仙客、白鴎は閑客、鸚鵡は隴客、孔雀は南客、白鷺は雲客と呼ばれ、それらの5種類の鳥が描かれた掛け軸や屏風)とか、鶴、龍、鯛、多産をイメージする葡萄と鼠をとりあわせた絵など。
【聖なる山 蓬莱山と富士山】姿の違う2つの山の対比が面白い。小松均「赤富士図」は強烈に赤い富士山に黒いラインが描きこまれた様子がキース・へリングっぽい風情。
【縁起のよい神 七福神】は、画家によって七福神の描き方が全然違うのが面白い。
「第2章 幸せをもたらすーにっこり・ほのぼの・ほんわか」は、学芸員が楽しんで出品作品を選んだことがわかる、見ていて微笑んでしまう作品揃い。伊東若冲の「伏見人形図」は山種美術館の推し作品らしく、ミュージアムショップにグッズ多数。同じく若冲の「蛸図」も、シンプルな墨絵だがおかしみが感じられる。前述川端龍子「百子図」とか、山口華陽「生」(何十年も前に牧場に行ったときに見た、生まれたての仔牛の様子を思い出して描いている、心に残る一品)、柴田是真「墨林筆哥」(漆を使って描いている、琵琶を弾くカエルの不思議な絵)、川﨑小虎「仔鹿」(とってもラブリー)など、こういう機会にお蔵出ししたかったんだろうな、という絵がどれも印象的。
美術展鑑賞後は、エントランス脇の喫茶で、今回の展示品にちなんだ和菓子をいただく。和菓子屋さんもきっと楽しんで作っていることであろう。
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次回の「桜さくらSAKURA2025 美術館でお花見!」も楽しそうである。
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