EVと仕事、私たちの現場~プロジェクトマネージャーHさんの視点~
「エネルギーの未来をつくる」をMissionに掲げるENECHANGE(エネチェンジ)では、脱炭素社会の実現に向けて重要な一歩であるEV(電気自動車)の普及に貢献するため、EV充電事業やEVユーザー向けアプリの開発などを展開しています。
「EVと仕事、私たちの現場」は、ENECHANGEの社員であり、EVユーザーでもあるメンバーに焦点を当て、EVユーザーとしての日常や、仕事にどのような価値をもたらしているのかを探り、EVと仕事の新たな可能性をお伝えしていきます。
今回は、エネルギークラウド事業部のプロジェクトマネージャーであるHさんに話しを聞きました。愛車であるテスラモデル3の魅力、EVユーザーとしての視点がどのように仕事に活かされているか、そしてENECHANGEに在籍しながら他社のEV充電事業に携わる面白さについて、インタビュー形式でご紹介します。
充電に不安を抱えてEVを購入したものの、不便はまったくない
――EV購入のきっかけは、ちょうどガソリン車の買い替えを検討していた時期に、いろんなタイミングが重なったからと聞きました。
H:そうですね。以前の車が登録から13年ほど経って、車検の時期も近づき、燃費も悪かったので、買い替えを考えました。
――単純な買い替えであれば、ガソリン車でもよかったと思いますが、どうしてEVを選んだのですか?
H:ENECHANGEで充電サービスが始まり、会社としてEV購入が推奨されていたことも理由です。実際に使ってみないと、いいことも不便なこともわからないし、経験がない人の意見は的外れになりがちです。だからこそ、使った上で知識を持って議論する方が建設的だという考えに納得しました。EVを使うことで、見えてくる景色が違うだろうなと。
――EVに乗り換えて生活で変わったことはありますか?
H:充電に不安を抱えながら買ったものの、自宅近くのテスラのスーパーチャージャーを使っているので、不便はまったくありません。正直、何も変わっていないです。月に1回の充電が基本で、遠出した後は充電しますが、それはガソリンの給油と同じですよね。消費者として、ガソリン価格のニュースが関心外になったぐらいです。
「エネルギーの使い方が静か」
ガソリン車は蒸気機関車、EVは新幹線
――EVのどんなところに魅力を感じていますか?
H:エネルギーの使い方としても静かだなと感じています。ガソリン車は、信号待ちで停車するとアイドリングして、ブレーキを踏み続けて、燃料をずっと使っている感覚があるんです。EVはそれが全くなくて、信号待ちの間はスイッチをオフにしている状態なので、無駄なエネルギーを全く使わない静止状態というのが、すごく斬新に感じました。
――エネルギーの使い方に関心が向くところに、ENECHANGEの社員らしさを感じますね。車としての魅力はいかがですか?
H:床下に重いバッテリーがあるので、基本的にぶれを感じなくて風にも強いですし、ピョコピョコ跳ねる動きもないので走行性能の高さを感じます。カーブでもロール(横揺れや傾き)が抑えられて、どっしりしているので、安定して回るところから安全だなと思います。列車でいうと、CO2を排出しながら動いて振動がある蒸気機関車と、安定性が高い新幹線のイメージぐらい違いますね。
エンジニアの視点でプロジェクトを動かす
自社アプリ開発から受託開発へ
ここからは、HさんのEVユーザーとしての経験が、業務にどう活かされているのかについて聞いていきます。
――現在はエネルギークラウド事業部に所属されていますが、以前はEV充電サービス事業部でエンジニアとして働いていた時期もありましたよね?
H:EVに乗るようになったことと、エンジニアとして自分の頑張りが自社に直接還元される環境で働きたい思いが相まって、異動させてもらいました。ちょうどEV充電エネチェンジアプリの立ち上げ時期で、数カ月間アプリ開発を担当していました。
――そこから、プロジェクトマネージャーとしてエネルギークラウド事業部に戻ったのはどういった経緯ですか?
H:エネルギークラウド事業部が、EV充電事業の経験やプロダクト理解を活かして、ENEOSさんからEV充電アプリの開発提供プロジェクトを受託することになりました。そのプロジェクトを担当するために私もエネルギークラウド事業部に戻りました。今もそのまま、大手クライアント向けのEV充電アプリ開発、初期提供、運用保守をしながら、アジャイル形式で開発リリースを行っています。
ユーザー目線でEV充電インフラの「あるべき姿」を追求
――自社のEV充電アプリを開発し、さらに自身もEVユーザーであることは、他社のアプリ開発提供にどのように役立っているのでしょうか?
H:自分自身が1つのペルソナとして「1ユーザーは確実にこう考える」という意見は言える。さらに、その視点を軸にして、他のユーザー、例えばKさんみたいなアリアのユーザーは「充電口の違いがあるから、こういうふうにも考えるよ」と、チームとして解像度をどんどん上げていける。そういう「ユーザーとしての感覚」を発言できたり、議論できるというのは非常によいと思っています。
▼同じエネルギークラウド事業部でサービスデザインを担当するKさん
――EVレンタカーで体験するのと、自分のEVを日常的に使うことは、やはり違いますか?
H:そうですね、違うと思います。レンタカーだと、計画してその日1日乗り切ればいいのですが、日常に使う人は、もっと長いスパンで充電を考える必要があります。「これぐらい充電しておけば大丈夫かな」といった判断も出てきますし、自分は乗る予定がなくても「家族のために充電しておいてあげよう」という場面もあります。私は集合住宅住まいで、自宅に充電器がない中で一番うまくやりくりする方法を考えて生活しています。ユーザーそれぞれの使い勝手のパターンもあるので、日常使いしている人こそ、より深く充電環境のことを理解できる部分はあると思います。
――EVユーザーでありながら、ENECHANGEの社員としてEV充電インフラ整備に携わる魅力はどんなところにありますか?
H:仕事を通じてEVの安心できる環境を作っていくことに貢献できる部分と、ENECHANGEの企業文化の組み合わせが魅力的だと思います。自社の利益よりも、ユーザー目線でオープンに議論をきちんとした上で、「あるべき姿」を目指してスピーディーにやっていきましょうという文化は、ENECHANGE独自のものだと思っています。両方を体験できるのが一番のメリットですね。
共通ソフトウェアで未来を描く
ユーザーファーストの競争力
――EVを購入した約3年前と現在では、充電環境の変化は大きいのではないでしょうか?
H:そうですね。私はテスラの充電網に頼っていることが大きいですが、自宅近くにスーパーチャージャーが増えたこともあり、テスラの充電スポットが増えている、整ってきている感覚はあります。また、アプリ開発に携わらせていただいているENEOSさんも、1台1千万円程度すると言われている急速充電器を精力的に設置して、大きな資本で充電環境を整えているのを目の当たりにしているので、どんどん安心できる充電環境が、着実に時間とともに広がっている実感があります。
――EV市場は今後どのように変化していくと考えていますか?
H:個人的には、長期的にEVとFCV(燃料電池車)の時代になるのは確実だと思っています。
――EVの時代到来に向けて、ENECHANGEが果たすべき役割はなんだと思いますか?
H:不安のない充電環境を整えるのはもちろん、ハードだけじゃなく、ソフトウェアでもよいインフラづくりに貢献したいですね。今は、各社が同じ目的で充電器をつけてサービスをしたいと言ったら、それぞれがシステムを作って、コストをかけて同じような事業をしています。でも、エネルギークラウド事業部では「いいソフトウェアを作って広く提供して、各社の開発コストを下げて、よいものを作る土台を提供する」「浮いたコストを本当に便利なサービスにあてて、もう少し高いレベルで競争する環境にしていく」ことが大事だと思っています。変なところにコストをかけて差別化するのは長期的には効率的ではないと思います。
――ソフトウエアの開発で目指している世界もユーザーファーストの考え方にたどり着くんですね。
H:長期的には、ユーザーファーストでつくられたものが選ばれて残るので、一番大事だと思います。
――最後に、現在の愛車に唯一の不満があると聞きましたが…
H:トランクは4人乗りのスポーツカーとしてはかなり大きい方だと思うんですけど、前に乗っていたワゴンタイプのガソリン車と比べると、荷物が入らないなという贅沢な希望です(笑)。趣味のバーベキューとか、スキーとか、大荷物が全部積めない。いろんなメーカーからガソリン車と同じぐらいの価格でEVのSUVが出てきたら、買い替えたいなと思っています。
ENECHANGEでは、様々な職種において、EVユーザーとしての経験や知見を活かせる機会があります。
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