エンジニアでなくてもRPAで業務を効率化!元専業主婦が実現した自動化の秘訣
各事業部にRPAチームを持つENECHANGE(エネチェンジ)では、業務効率化とオペレーショナルエクセレンス※の追求が進んでいます。RPA(Robotic Process Automation)は、ソフトウェアによって業務プロセスを自動化する技術であり、導入により限られた人のリソースを効率活用し、業務の効率性を大幅に向上させています。
エネルギークラウド事業部のFさんは「こんなことを自動化できたら便利だろうな」という、みんなの声に応えるため、Google Apps Script(GAS)やChatGPTを駆使して数々のインターネットボットを開発してきました。非エンジニアのFさんが、なぜRPAを成功させることができたのか、その秘訣を教えてくれました。
RPAは100%のリソースを割くための1つの手段
――これまで進めてきた業務自動化のノウハウを、事業部の枠を超えて全社的に共有・展開し、会社全体のオペレーショナルエクセレンスの追及に貢献しているFさん!2024Q2(4‐6月期)VALUE AWARD(社内表彰制度)でENERGISE THE TEAMの受賞おめでとうございます!
F:社内には、ほかにすごい人しかいない中、「本当に私だったのかな?」といまだに思います。選んでいただいたからには「さすが、もらっただけあるよね」というぐらい頑張らなきゃという気持ちです。
――これまで開発したbotは50個以上。そんなFさんにとって、ずばり「自動化」とはなんでしょうか?
F:100%のリソースを割くための、1つの手段です。社内のプロフェッショナル達が、気にしたいことだけを気にすることができる環境を作る、というのを目標にしています。忘れたいことを一旦忘れたりとか、どうでもいいことに労力を割かれないように。みんながそうなれればいいなと思っています。
「ヒューマンエラーをなくしたい」が最初の自動化のきっかけ
ーー今や「なんでも願いを叶えてくれる『○○○えモン』」と呼ばれるほど、ENECHANGEのRPAのシンボリックな存在になっているFさんですが、最初に自動化したものはなんですか?
F:エネルギークラウド事業部で使用している、各電力会社の料金プランを管理しているスプレッドシート(データ表)があるんですが、人間が操作しているので、想定していないミスが起こり得るんですね。それで、思っていない場所を触ってしまうのをどうしようという問題が、私が入社して半年ごろにありました。ちょうど別の業務中に「GAS」(Google Apps Script※)の存在を知って、試しに「スプレッドシートを変更したら、変更したセルがすぐに色が変わる」というスクリプト(コンピュータにやってほしいことを書いた指示書)を頑張って作ってみたのが最初です。「ヒューマンエラーをなくしたいよね」とみんなが言っていたから「これはいいかもしれない」と思ってやってみたのが始まりです。
――最初の自動化の取り組みは、ENECHANGEが「GPT-4」を全社導入するよりも前だったとは驚きです!社内の反応はどうだったのですか?
F:まだみんなGASも知らず、私自身も管理しているデータ表に勝手にGASを入れるとどんな影響があるのかわからなかったので、Slack(ビジネスチャットツール)の事業部のチャネルで「こんなGASを書いてみたから入れてもいいか」と聞いてみたら、エンジニアがすごく食いついてきて!「FさんがGASを書けたのか!?」って(笑)「やれるならどんどんやってくれ」「わからないことあったら教えるよ」「ここをこうしたら、もっとスマートだよ」とみんなでワイワイ盛り上がりました。
ーーChatGPTも使わず、完全に独学で「GASを書く」難しい挑戦だったのではないですか?
F:ちゃんと勉強しなきゃなって思いました。たかが5行のスクリプトでもすごく大変でした。テスト用のシートではうまくいっていたのに、本番では期待している動きどおりにいかないことがあって、事業部内のエンジニアにヘルプを出して「ここが変だよ」って教えてもらって、なんとかなりました。
ーーエンジニアが助けてくれるのは心強いですね!
F:そうですね。「助けて」と言ったら誰かが手を差し伸べてくれるので、結構フットワーク軽く「勉強しようかな」と思いながらやれていました。
ChatGPTはチームメイトの1人として常に会話している
――そして2023年4月、全社で「GPT-4」の活用が始まり、まもなくSlack上で、ChatGPTと対話ができるボット(通称:チャッピー)が登場しました。
F:最初は全然うまくいかなかったですね。簡単なスプレッドシート関数を書いてもらおうとしたんですけど、全然計算どおりにいかなかったんですよね。
――最初はChatGPTを使いこなせなかったのはなぜですか?
F:私の聞き方がうまくなかったんですよね。困っていたときにエンジニアに教えてもらったんですが、「黒い椅子に座る猫」って聞くと、「黒い椅子」に座っている何色かの猫なのか、椅子に座っている「黒い猫」なのか、人によって感じ方が違いますよね。チャッピーもそこを明確にしてあげたほうがいいんです。
F:当時の私は、違う聞き取り方をしてしまうような長い文章にしてしまったから、チャッピーも変な答えを出してしまったんです。
――どのようにしてChatGPTを使いこなせるようになったのですか?
F:「全然ダメ〜」とSlackの事業部のチャネルでぼやくと「聞き方がダメだよ。こうやって聞いたらいいんじゃない?」と教えてもらって、「そっかそっか」とやり直して、その繰り返しです。今やチャッピーはチームメイトの1人ぐらいの感覚です。友達や人間に対するぐらいのしゃべり方になっていますね。壁打ち相手として常にチャッピーと会話して暮らしているので、気づけば社内で一番使っていました。
どんな願いも「よし、やったるぜ!」達成感が楽しい
――Fさんが自動化を進めたものの代表例に「煽りbotくん」がありますね。経費申請の承認を催促するもので、エネルギークラウド事業部のメンバーからは「これ無しじゃ生きていけない」という評判を耳にします。
F:「煽りbotくん」は、今もアップデートしています。最初は承認者ごとに自分が承認しなければいけない申請だけがわかる状態にしていたんですけど、通知が飛んでほしいと言われて…通知が飛ぶようになってからは、承認が終わったものにはチェックを付けてもらって、チェックをしたら通知が飛ばないように変更したんです。すると今度は、チェックが面倒くさいと言われて(笑)ちょうど最近アップデートしたバージョンⅣは、承認が終わったら自動で処理済みに変わるようにしました。会計が事後処理にならないように契約開始日の情報や、会計ソフトのリンクも取得して通知がいくようにしています。
――これはすごい…人間のわがままな願いをFさんがすべて叶えてくれていますね。
F:そうですね(笑)「こうしたい」って言われたら「よし、やったるぜ!」みたいな気持ちです。1個新しい技を手に入れると、いっぱい使いたくなるじゃないですか。むしろ、こんなの面倒くさくないの?というのをどんどんなくしていきたいんです。
――Fさんから楽しい!もっとやりたい!の気持ちがビシビシ伝わってきます。
F:楽しいですね!作っている途中で全然うまくいかないのが続いているときは「チャッピー違うんだよ!」とチャッピーに怒ることもあるんですけど。もう完成した瞬間、家で半分腰をあげながら「ッシャ!(ガッツポーズ)」みたいな(笑)すごく達成感があります。何か1つ大きいのをやると、「派生してこういうこともできるじゃん」って、どんどん出てくるので「終わったらこっちやろう」と考えると楽しいですね!
柔軟な環境が生み出す推進力
――Fさんがここまで自動化を進められた秘訣はなんでしょうか?
F:環境のおかげですね。最初は誰にも「やって」って言われていないんですけど、自由にやらせてくれる教育方針だったので、自動化を好き勝手にやらせてもらっていたら、みんなが「いいね」って言ってくれて。そこから、「せっかくならOKR(評価に繋がる目標と成果)に入れようよ」となって、ユニットOKRに入れてもらいました。オペレーショナルエクセレンスを正式なリソースとして、今は業務の半分ぐらいのリソースを費やしています。この柔軟な環境がありがたいです。
――行き詰まったときはどうしていますか?
F:どう頑張っても理想型に届かない、途中で何かがおかしいってときは、あえてちょっと時間をおいて、丸ごとリセットして、もう1回ゼロから作ることもあります。
――途中まで作っていたものを手放して、ゼロから作り直す勇気は、新しいことを推進していくときに重要ですね。気持ちの保ち方の秘訣はなんですか?
F:「1人でずっとやってる」という感覚がないから、できているのかもしれない。Slackに「どうアプローチしようか迷ってます」っていうのを書いて、周りにデザイナーやいろんな分野のスペシャリストたちがいるので意見をもらいます。みんなで話している間にちょっと頭が整理されて、仮のゴールが出来上がって、そこに向かってやってる間に、本当のゴールが見えてくるんです。
――Fさんの推進力には、事業部やチームメンバーの存在が欠かせないんですね
フットワーク軽く問題解決に向かうサービスデザインのスペシャリストを目指したい
――自動化に関するFさんへのリクエストは、事業部を超えて、全社から頼りにされています。この状況をどう思っていますか?
F:めちゃくちゃ嬉しいですね。声をかけやすいって思われていたら嬉しいのと、何かの役に立てるというのも。普段の業務ではいろんな事業部の人と関わることがほとんどないので、他の人がこういうことしてたんだと知るのもすごく楽しみです。自分が知っているところだけだと幅が狭くなっちゃうので、引き出しも増えるし、どんどん声をかけて欲しいです。
――Fさんの今後の目標を教えてください。
F:自分の引き出しを増やして自動化の面で社内をよくしながら、サービスデザインのスペシャリストを目指したいです。広い視野を持ちながら、気づいたことにはフットワーク軽く問題解決しにいけたらいいなと思っています。
ENECHANGEでは社員が自由にアイデアを試し、サポートを受けながら成長できる環境があります。
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