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#44 はじめて、メダルをもらう。:「文芸思潮」現代詩賞

いつのまにやら2021年を迎え、早くも一月が終わろうとしている。

1月の緊急事態宣言後は再び在宅勤務となり、さて、あの4月や5月の日々が返ってくるかと思ったが、勤務先からの指令が様変わりし、まったくあの奇跡の生活に戻ることはできなかった。それでも、出勤するよりはマシなのかもしれないが。

そうして、忙しく日々を過ごしていると、今日、日が落ち始めたころにチャイムが鳴った。何か注文した覚えはなかったので、何だろうとドアを開けると郵便屋がいた。

レターパックには「アジア文化社」と書いてあって、ああ、あれかと思ってなかを見ると案の定、賞状が入っていた。

もういつだったか覚えていないが、「文芸思潮」という文芸雑誌に「現代詩賞」というものがあって、昨年度は茉莉えまさんらが投稿しており、すすめもあって今年度のものは応募してみたのだった。

しかし、これに合わせて新作を書く余裕はなかったし、そのころは満足のいくものはできなかった。そこで、古いデータを探っていると、これは、という掘り出し物を見つけた。

何年もまえに書いた作品だった。いまとはちがって、より幻想性が高く、ロマン的で、言葉がきらきらしている。これはもう書けないなあと思って何度か読んでみると、だんだんいい作品のような気がして、多少形式を整えて出してみることにした。三作出せるようだったので、もう一作は最近のものにしようと思ったので、既出のものでもいいらしいので「窓辺のアユカ」という作品を選んだ。

たしか、9月ごろに一度、忘れた頃に三次選考を通過したとの通知が封書にて届いた。ひとまず、ここまではいくような気はしていた。これで太刀打ちできなければ自分の感覚が信じられないと思った。しかし、ここから先は何とも言えなかった。

それから11月の末ごろだっただろうか。「奨励賞」を受賞したという通知がきた。「奨励賞」は、「最優秀賞」「優秀賞」の次だ。「最優秀賞」と「優秀賞」はそれぞれ賞金が出るのだが、「奨励賞」には出ない。が、賞状とメダル、記念品が届くと書いてあった。そして、いつかの紙面で作者紹介とともに掲載するともあった。本来は授賞式のようなものがあったようだが、昨今の状況を鑑み、郵送するとのことだった。

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そうして、今日、その賞状とメダル、記念品が届いたのであった。思えば、賞状やメダルをもらうなんてことは人生ではじめてのことかもしれない。中高生時代は部活動で特段何かのコンクールに出場なんてこともなかったし、これまでもこうした賞がもらえるようなものに応募したこともなかったので、35になったばかりの年にようやくメダルを一つもらうなんてことがあるのかと思うと人生よくわからない。遅咲きの人生。

とはいえ、過去の栄光にすがると前進できないとはよく言うので、これは飾ったりせずにどこかにしまっておこうと思う。また掲載が決まった号がわかったらお知らせしたい。

何にせよ、書き続けることが肝心だ。

2021年も、がんばる。

という抱負などはまた追々。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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佐々木蒼馬-aoma‐
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