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アラサー女のライフステージと女子会の話題

「レモンちゃん、もうママだもんね、信じられない」

子が生まれてよく言われるようになった。

学生時代からずっと仲良くしてる女友達たち。

定期的に会って、近況報告をして
何でもない話題にお腹をかかえてケタケタ笑う時間。
かけがえのない時間。

共有してきた時間はとうに10年を超えた。

病めるときも健やかなる時も、とはちょっと違うけど
最高に最強に無敵に楽しかった10代も、
初めての大学生も一人暮らしの20代も、
就活に恋愛に悩んだ初めての社会人生活も、
いつも似たような感性で似たようなことに喜び
どちらかが失恋すれば共に嘆いてパーッと飲んで、
身軽に世界を旅してたくさん写真を撮って
SNSにアップした。

会えば話題は尽きなくて、
ミーハーな私たちは話題のレストランに集まった。

「最近どう?」と彼氏の話をして
仕事の愚痴を言い合って、将来のキャリアとか
やってみたいこと行きたいところ、
いつ頃には結婚したいだとか、どんな人が良いだとか
「やっぱ結婚相手の正解はアラブの石油王じゃない?」とか「結婚式には呼んでよね」とか。「もしも子どもが生まれたら、どんな名前にする?」と、
ああでもない、こうでもないと盛り上がった。

全部、まだ見ぬ未来の話だった。
いつかそんな時が来るといいなと思いながらも
お互いにそれはまだずっと未来の話で
モヤがかかった世界の話だった。

だけど、今、それはまだ見ぬ世界でなくって
目の前の現実の話になった。

「えーーー!!おめでとう、もうそんな年かあ!!」

女友達は私の妊娠も出産も喜び
生まれてきた息子を可愛がってくれた。

私が結婚したのは石油王なんかじゃなくて、
サラリーマンだったし
結婚式はコロナ禍であげなかったし
子どもの名前はあの時あんなに話したけど
結局ぜんぜん違う名前になった。

昔からの女友達は、
子どもが生まれたって
多少ライフステージが違ったって
話す内容は変わらない。

だけどどこか噛み合わなさはある。

何に喜びを感じるか、
何に悩むか、何の話をしたいか、何を知りたいか?

いつも同じ感性で同じことを感じていた私たちは
目の前に繰り広げられる世界が
今だけ、ちょっと違う。

でもそれはきっと居心地の悪さとか、
気まずさとかではなくって。

ああ人生ってそれぞれのものなんだな、ということ。

一人一人が主人公の物語があって、
特に日本では進学・就職まではみんなせーの!の一斉スタートで、同じラインにいて。
だけど結婚・出産・子育てなんかは、
その道を選ぶかどうかも、いつそこに行くかどうかも、
どんな相手を選ぶのか、どんな子育てをするのかも
人それぞれ、違うんだということ。

「私の人生」という一つの道があるのだとしたら。
国道○号線、みたいな感じで、色んなところで色んな道と交差してるイメージ。

昔からの女友達って、いつもどこか近くで
だけどちょっと距離のある場所で
ずーっと続いている道のような感じがする。

振り返るとがっつり交差したり並走していた時期もあるけど
今はちょっと遠くにいる。

だけど、「そっちの道はどう?」「雨が降りそうだね、気をつけてね」「そっちは海があって綺麗そうだね」なんて話しながら、
やっぱり変わらずお互いを大切に思っている。

今は子どもが生まれて、新たに交差した道で
新たなママ友に出逢ったりする。
だけどそれって多分刹那的なもので、
いつかまたどこか遠くにいく人が多い気がする。

だけどこれまでもずっと大切にしてきた友情は
育てていける限り永遠に続いて、
何なら来世にまで続くんじゃないかな?って。

古くからの女友達。

ずっと大切にしたい存在。
お互いにずっと、応援してる。
今日もかけがえのない友人たちの道が、晴れてキラキラしていますようにって。

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