使い勝手のいい服ってなんだ?#enamu解体新書
enamuのデザイナーenです。
周りの友人知人が第2次ベービーラッシュになって送られてくるチビちゃんたちの写真にかおが緩みっぱなしの今日この頃。
enamuの先物企画を考えながら、手に取ってくれたお客様にとって使い勝手の良い仕様についてを改めて考えていました。
そしてこの記事を書きながら、それ等の考えが、デザイナーのエゴになってしまっていないかと、一人反省会をしながら今日のnoteを綴っています。
もし店頭で enamu の商品を手に取っていただいたり、トライして下さった方。そうじゃなくても…いいのですが、ぜひコメントを頂けたら嬉しいです。
では本題に。
今日は 2021-22 AW 商品、最後のアイテムについて綴っていきます。
”着合わせ楽々なあったかカーデ。”
このカーデのテーマはずばり! ”着合わせのしやすさ。”
ニットで編みたてられているカーディガンが市場を占めている近年。
どうしたらカットソーで使い勝手の良いカーディガンが作れるのか?
そんな課題を ”裏テーマ” に掲げ 素材選びから仕様までを詰めていった一着になります。
それではサックっと参りましょう!
―enamuのカーディガン
デザインに関しては、いつも通りの ”普通なVあきカーデ” 企画をまとめていくうえで心掛けたことは裏テーマである”どうしたらカットソーで使い勝手の良いカーディガンが作れるのか?”ということ。
網目の増減で一つながりのまま立体的なシルエットを形成することができるニットカーディガンに比べて、カットソーで立体的なシルエットを作っていくためには布帛同様に縫い目を作り、縫い合わせたり、生地のボリュームを変化させていく必要があります。そのためデザイン上に切り替え線が多くなってカジュアルな印象のアイテムになっていきます。
それを回避するために今回のデザインでは、極力切り替え線を減らし、すっきりとキレイに見えるように仕上げました。
そして、ニットアイテムでよくありがちな、”引っ掛かっけ問題”
気づかないうちの他のものと引っかかっていて ”糸が出てしまったり。穴が開いてしまったり。” 皆さんにも経験があるのではないでしょうか?
今回カーディガンに選んだ素材は、もこもこと暖かな素材なのですが、その編み目は細かく、引っかかりにくいものを選びました。
大切に思いを込めて企画をした商品。せっかくお客様の手元に渡ったのであれば ”長く愛用して頂きたい。” なので今回はそういった扱いやすさも考えさせていただきました。
実際にわたしは、ニットを引っかけてしまって、お直しに出す時間が取れず、そのまま服を処分してしまった苦い経験があります。
そんな、ヒトにも服にも悲しい思いが少しでも減ってほしい!…とまでは思っていないですが、今どきな話題としていうのであれば、”長く愛用することで環境問題を考える。”とかなんでしょうか?
そこまで考えながら、すべての企画を考えられているわけではないですが、私は ”ものを大切にするって事は、シンプルに素敵だなー。” って感じています。
話がそれますが、企画業で本社に務めていると、エンドユーザー様の顔を拝見することはめったにありません。
私はデザイナーになりたてホヤホヤの社会人2年目くらいの時に初めて自分のデザインした商品を着た人に、街中で遭遇し、無意識のその方を追って歩いていきました。笑
今、考えると完全に不審者だったと思います。でも心臓が飛び出そうなくらい嬉しかったのを覚えています。
今も時たま、自分のデザインした服を着た方に町で出会います。そんな時に着ている方が笑顔だと本当にうれしい気持ちになります。
そんなたまに訪れる貴重な出会いもこの仕事の面白みなのだと感じています。enamuのアイテムたちもお客様の思い出のすみっこに残っていく存在になっていったら嬉しいと思っています。
こうやって脳内をアウトプットしていくと自分の色んな思い出や、感情と向き合うことが出来てついつい脱線してしまいます…;
脱線してすみませんでした!
ではここからは、いつも通りのこだわりポイント。
ーkeywordー
素材へのこだわり
シルエットへのこだわり
サイズ感へのこだわり
ーカーディガン・素材へのこだわり
先にもお話をさせて頂いたのですが、今回使用している素材はもこもことしていて、見た目にもやわらかい印象の素材です。編地の表面に起毛を掻いているのですが、毛玉ができにくいのがポイント。
混率はウール78%ナイロン13%で、着心地が軽く、暖かいのが特徴です。
デイリーアイテムとして、幅広いシーンに使っていただきたいので、軽さと暖かさにこだわった素材を使用しています。
ーカーディガン・シルエットへのこだわり
カーディガンのシルエットは羽織りでも、ボタンを留めてきても、ワンピースでも、パンツでも着やすい長さと、ゆとり。で考えました。
また、ただボリュームを出すだけでなく、enamuらしくすっきりと見えるように、裾部分には切り替えを入れずにスッキリとさせました。
この裾の部分のデザインは店長の森と意見が分かれた部分でもあります。
森からは、よくある裾切り替えで伸ばしつけになっている仕様の方が一般的ではないかという意見がでていましたが、私としては、今回の生地で裾にまでボリュームを付けたデザインにしてしまうと、カジュアルアイテムに見えてしまい、少し重たい印象のアイテムになると考え、切り替えの無いすっきりとした印象の仕上がりを優先しました。
この件に関しては、単品で見れば、どちらのデザインでも良かったのかもしれませんが、enamu の "着回しのしやすいアイテム" として一つのレンジで考えた時に、着合わせのバランスを見ての答えとして裾切り替えの無いデザインに行き着いたものになります。
ただ、森が要望の中に上げている、お客様が求めるカーディガンとしてのお悩みポイントはしっかりと考慮してあります!
①着丈問題(腰回りが隠れる丈の方が使いまわししやすい。)
→腰回りのカバーはもちろん。コートから出ない丈にしています。また、Vネックのデザインなので、コートを羽織った時にもコートの襟ぐりから見えにくい深さにしています。
②コートの中に着られるボリューム
→ゆったりとしたしたシルエットの服で、コートを着た時に、腕の付け根あたりの布が引っかかってコートが着にくい。というレイヤード時の問題も考慮した分量感に仕上げています。
③使い勝手の良いポケット
→もちろん袋サイズをしっかりと取ったポケットを脇につけています。
このような形で、互いの譲れない部分をしっかりと煮詰めて仕上げたをしっかりと煮詰めて仕上げたシルエットになっています。
ーカーディガン・サイズへのこだわり
こちらのカーディガンもワンサイズ展開となります。
丈やゆとりを見ていく中で、身長が小さくても、大きくてもそれぞれに馴染んでくれるデザインなので、今回はワンサイズ。
ただ、冒頭にも触れたようにサイズ展開が欲しい。という声があった場合にはサイズ展開を増やすかもしれません。
ー2021 AW アイテムの最後に。
2021 AW アイテムは全部で5つをご紹介しました。enamuのアイテムの事が少しでも皆様に伝わていたら幸いです。
enamu は オーダーメードブランドです。
そのオーダーアイテムの商品との着合わせも考えながら展開している既製アイテムをここまで紹介してきました。
enamu 商品はコーディネートバランスを考えながら企画をしています。
手に取ったアイテムたちが自然と調和のとれたコーディネートになっていく様な、アイテム展開をしていきたいと思っておりますので、是非店頭で、ご自身のバランスにあったベストコーディネートアイテムを見つけてください。
enamuはまだ生まれたばかりのピヨピヨで、お客様とともに成長をしていきたいと思っています。
これから、どうぞ宜しくお願いいたします。
【アイテム詳細】
[お問い合わせ品番]
18-12-00050
[色・サイズ]
29 ブラック / 31 ベージュ / 89 ネイビー / (SIZE:全色FREE)
model : 170cm
[価格]
¥18,000(in tax)
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この商品は、店舗でご購入できますので興味がある方はぜひチェックしてみてください。
※在庫には限りがございます。予めご了承ください。
【店舗情報】
Tel:050-170-21126
〒451-0051 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番17号イオンモールNAGOYA NORITAKE GARDEN 1F
Open:10:00 ~ 21:00
気になった方はぜひenamuのサイトも覗いてみてくださいね。
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次はオーダーメイドパンツについて話せたらいいなー。と思っています。
ではまた。