読書メモ そして、バトンは渡された(瀬尾まいこ)
この小説は、物語をとおして何を伝えたいんだろうか。
そう考えながら本を読んでいる自分がいることに気づいた。
きっと、時間を注いだ対価として、何かを得た気分になりたいのだと思う。
なんてことをメモしながら序盤は読み進めていた訳ですが、
読了後の感想としては、
擬似父親体験小説だった
というところでしょうか。
難しい感想とか考察は出来ないし、本書ではする気もないのですが、
ただ単純に、今まで考えたことがなかった「娘を育てる親の気持ち」を
想像させられ、そして主人公の優子が育っていく姿に
今まで感じたことがない切なさや感動を感じました。
もちろんフィクションですので、リアルとは異なるのでしょうが、
これが親の気持ちか…と少しでも感じることができ、心地よい読後感でした。
今なら、「娘は嫁にやらん」的な父親像に対して、
「まじでそれな!!」と食い気味に同意してしまいそうです。
自分にとっては、少し切なく暖かい気持ちにしてくれた小説でした。