第4話 青天の霹靂

 休みが5日間続いた。休み中は心の底からリフレッシュできた。救急車のけたたましいサイレンの音から離れるとなんて心が澄み渡るのだろうか。


 久しぶりの勤務である。


「ピーポー、、ピーポ-!救急指令!入電中!」


突然の指令!まさに晴天の霹靂。


あれ?どうした?


突然の出来事に心が動かない。


ヤバイ、今日焦るかも?そんな予感を感じながらなんとか救急車に乗り込んだ。


指令センターより無線。


「90歳女性が自宅で心肺停止状態」



まじか?やばい!



どうしよう?どうしよう?


とりあえず、現場に着くまでに器材の準備をして、後は応援に来る消防隊に連絡して。


焦りながらも、なんとか指示を出した!


現場に着くと旦那さんだろうか、


「こっちです。早くして下さい。妻が、妻が…」。


家族の状況を見て、さらに焦りが高まる。


僕が焦っちゃだめなのに!


傷病者はベッドで寝ていた。


反応がなく、呼吸もしていない、やはり心肺停止状態だ!


隊員に心臓マッサージを指示!


次は?エ~となんだっけ?


頭がくらくらする!汗でさらに周りが見えずらい。


他の隊員が指示を待っている。僕のテンパりをみて、隊員もおどおどしている。



最悪だ!


家族に状況を説明するが、テンパっている僕にちゃんとした説明はできなかった。


病院への連絡もちぐはぐ!



すべての動きがバタバタ…。


活動が流れない。


俺は何をしているんだ…。


病院からの帰り道、罪悪感に押し潰されそうになった。


存在を否定したくなる。


救急救命士を毎回やめようと思ってしまう。


でも、好きだからやりたい!


でも、てんぱる!


毎回思う!


僕がやりたいことは、僕が一番苦手なことなんだと!

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