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「それはアウト」と言いたくなるファッション

群ようこさんのエッセイ「いかがなものか」を読んでいたら。

数年前に流行った”シャツをオフショル風に着る”というファッション文化に、群氏が「いかがなものか」と苦言を呈するエピソードがあった。

なんでも彼女が電車を降りた際、駅のホームのベンチに座っていた女性が両肩丸出しのシャツを着ていたらしい

諸肌脱ぎとまではいかないまでも、水色の襟付きのシャツの前ボタンを大胆にいくつもはずして、両肩丸出しの若い女性が、うつむいてスマホをいじっていた。下にはタンクトップを着ていたのだが、シャツはシャツとしての体をなしておらず(略)

「いかがなものか」群ようこ 

彼女いわく、あれは「暴漢に襲われてシャツの後ろの襟首をつかまれたのを、必死に逃げてきて助かりましたファッション」なのだという。この独特でおもしろすぎる解釈に思わず笑ってしまった。たしかにそんな感じはする。

ちなみに画像を出すとこういうファッションである。

引用

アラサーの私にとってこうしたファッションに違和感はないし、おしゃれで可愛いと思う。私はこうしたシャツを持っていないけど、これが流行っていた頃に友達が着ているのをみて「いいな」と感じていた。

しかし群ようこ氏は「両肩を出したいならチューブトップにしろ」という。両肩を露出するのはOKだが、シャツがずり落ちているのはだらしない印象になるということ。チューブトップならいいんだとツッコミたくなったが、まぁ言いたいことはわかる。

このエピソードのように、「これはOKだけど、これはアウト」というファッションの基準って人それぞれ持っていると思う。それが共感されるかどうかは別として、自分の中で「いやいや、コレはないでしょ」とツッコミたくなるファッションは存在する。

このエピソードを読んで思い出したが、私にも「これはナシでしょ」と日々思っているファッションがある。

ちなみに私のプロフィールは、特にファッションに詳しいわけでもない、ただ全く気にかけないわけでもないという「どこにでもいるアラサー」だ。人並みにお洒落は好きだが、目立ってセンスがあるわけではない。ただ、「肌の露出」には寛容な方だと思う。「何歳になってもミニスカ履いたっていいじゃん」派の人間だ。肩でも腹でも脚でも、体型に関わらず出したいものは出せばいい。基本的には「みんな自分の好きなファッションを楽しんだらいいよね☆」と思っている。

ただ、海外に住んでいるとそんな肌の露出寛容派の私でも、「これはアウトでしょ」と思うファッションを見かけることがある。国によっておしゃれの価値観は多種多様、日本人とは違うファッション感覚があることも承知の上だが、これはアウトだろうと思っていることが2つある。

一つは、「三角形のブラみたいなトップス」だ。トップスというか下着というかビキニというか。あれはアウト。いくら露出に寛容な私でもあれはアウト。だってあれは完全に下着。

どういうこと?という人への参考画像を探したが見つからなかった。1番近い画像はこれ。

お騒がせセレブ、カニエの妻ビアンカ

さすがにこれよりはもう少し布面積は大きいけれど、こういう「三角形のトップス(というかブラ)」を着ている人が、私が住んでいる国にはちらほらいる。街を歩いているとたまに見かけるし、ジムにいくとこういうトップスでトレーニングしている女性を週1ペースで見つける。暖かい気候とオープンな国民性というのもあると思うけど、三角形は下着感強すぎるからアウト。

ちなみに形が長方形ならセーフだと思う。チューブトップというやつ。これも露出度高めだが、私的にはセーフ。


2つ目が、ショートパンツから下尻がはみ出てるケース。お尻見えちゃってるのでアウト。ショートパンツはいいけど、あくまで「お尻がちゃんと隠れてるか」が基準になると思う。

この画像の人はスレンダーだから出ているのは一部だが、豊満な体型だともっとしっかり下尻がこんにちは状態になる。下だろうと上だろうとお尻はお尻だ。お尻と太ももの境目が見えてしまったらアウトだ。

こんなファッションを群ようこさんが見たら発狂するのではないかと思う。自由なファッションといえど水着や裸で外歩くのはマナー違反なんだから、水着同様の露出度の服はアウトというのが私の基準。


でもここまで書いてみて、「私はこう思うっていうか、みんなそう思うよね」ってことに気がついた。そりゃぁ水着同様の格好はアウトだよね。「私はこれアウトだと思う!」という主張を持ってnoteに書いてみたけど、多分これ読んでくれる人の9割は「いやいや、それは議論の余地なくアウトだよ」って思うよね。ここまで書いて気がついた。

「自分なりの視点」って難しい。ファッションリーダーとエッセイストってすごい。


ちなみに群ようこさんのエッセイ「いかがなものか」は、「60歳代の人はそういう風に感じているんだ〜」という発見があってとても面白かった。一応若者の枠に入る私にとって”普通”だと感じていたことも、彼女にとっては嘆かわしいことだったりして(肩出しシャツファッションみたいに)、世代間ギャップを体験した。あえて「共感しづらいエッセイ」を読むのも面白いかもしれない。

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