「泣いていいんだよ」
人はつらい時こそ、まずは一人で耐えようとする。
心の扉をパタリと閉めて、
心をぎゅっっとしめつけて、
無になり、なにも言葉も発せられなくなる。
「泣いてはいけない。耐えろ、自分。」
って。
でも、ふとその身体を縛っているものがほどけた時、
突然、目頭が熱くなり、涙が流れ出る。
そして、もう全身が熱くなるまで、流す。
涙は流そうとして流すものでもない。
だから、そう簡単に止めることもできないのだ。
***
私はもちろん一人で泣く時もある。
けれど、もっと思う存分、泣けるのは、
「泣いていいんだよ」
そう誰かに言ってもらえた時。
この瞬間、身体が軽くなる。
泣かないように頑張っていた自分も、
一度泣くことをやめようと努力していた自分も、
全てを忘れて。
***
今朝、『坂道のアポロン』を観た。
つらい時こそ音楽を奏でることの大切さ。
一度築いた友情は一生モノであること。
台詞の少なさから伝わる感情表現と
世界観が気に入った。
そして、この映画の中でも、
主人公である千太郎が自分を責めて、
一人で耐え、歯をくいしばっている時、
親友である薫が彼に言う。
「泣いていいんだ、千!」
そして、抱きしめる。
二人とも下を向いて泣く。
なぜなら、
「お互い泣いた顔を見ないで済む」から。
男らしくて惹かれた。
でも、泣くことに恥ずかしさを感じていた彼らが、
友情、そして信頼のもと、
思いっきり泣くことができたという
その姿に、なぜか私も泣いた。
***
「泣いていいんだよ」
この8語。
とても温かい。
人は、誰かが傍にいてくれて、
さらには一緒に泣いてくれたりしたら、
それだけで、とても強くなれる。
泣き虫の私も、
泣くのを我慢して、強がっている人がいたら、
そっと手を添えて、
「泣いていいんだよ」
そう言える人になりたい。
***
直接言えなくても、
このnoteを読んで下さった方が、
もしつらい思いを今していて、
一人で抱えこんでいるとしたら、
思いっきり泣いてほしい。
涙は決して悪いものではない。
人が心から流すもの。
「尊いな 」と感じる。