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美味しさの面白さ

「美味しさ」は人それぞれ感じ方や好みが違っています。
たくさんのお客様に喜んでいただけるような味わいや、一部のコアな熱狂的なファンを生むような味わいもあります。

私自身、弊社に入る前まで食にほとんど無関心でした。
どれを食べてもそこまで考えることはありませんでした。
実際に「まずい」ものは今の世の中あまりないと思います。
コンビニスイーツもとても高いレベルで作られていると思います。

弊社に入り、フランス菓子やスイーツをとてもたくさん食べるようになりました。
そして材料のプロやプロのパティシエさん、レストランのプロと共に過ごし、考え方を教えていただきました。

どのような味わいを美味しいと人は感じるのでしょうか。
味に輪郭を作ったり、食感で面白さを表現したり多種多様な組み合わせで表現をしています。
日々試行錯誤の連続です。
なぜパティシエたちはなぜその試行錯誤を続けるかというと、すべてお客様に「美味しい」と言っていただき、喜びに溢れたシーンを増やしていきたいからです。

人は「いつも食べている味わい」を美味しいと感じます。
私自身、様々な素材を食べさせていただいて感じたことは、本当に良い素材は「後ろが良い」ということです。
「後ろが良い」とは、食べた後に舌に残る余韻がとても心地よく、きれいなことを言います。

口に入れて味わう際に、是非、舌に残る余韻を感じてみてください。

科学的な味わいは、強烈で最初にインパクトを与えてきます。例えばコンビニのポテトチップスのトリュフ味を食べてみてください。
強烈なトリュフの香りと味わいが最初に広がります。

本物の素材はとても丁寧に作られいます。
一度にたくさん作れなかったり、特定の業者さんにしか卸していないものもたくさんあります。
余計なものが入っていないので時間が立つと色が変わったりと、とても繊細です。
味わいも強烈な印象を与えるわけではなく、口に含むと緩やかな放物線を描き、長く優しい印象のものがほとんどです。

口に入れたときにいつも知っている味ではない、「後ろが良い」を感じてみてください。
それを探すことも一つの食の楽しみ方だと思っています。


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EmilieFloge / klimt
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