特別だけど特別じゃない私
もし、今現在、何かを必死になって頑張っている人は、この記事は見ないでください。
頑張っている人のやる気を削ぎたいわけではないので。。。
DaiGoさんの著書「運は操れる」の中の一節です。
遺伝子レベルで考えれば、あなたがあなたとして生まれる確率は300兆分の1だ。あなたはこの世にいるだけで貴重な存在なのだ。せっかくなら、300兆分の1の個性を活かした仕事につき、趣味を楽しみ、自分に合う友達と付き合い、徹底的に自分らしく生きよう。世間の目を気にする必要など全くない。
この一節を読んだとき、自分は特別な存在なんだ!と感動したのを覚えています。だって、300兆分の1ですよ?すごく特別感があります。
で、自己啓発本が好きな私は、何冊も自己啓発本を読んで、さらに自分はできる!特別な人間だ!と思うわけです。
そう、できる!できる!できる!
自己啓発本を読むたびに、自分の意識は高まり、いつしか、自分は特別で必ず成功するから行動しよう!と思うわけです。
そんなある時、心理学の発達心理学の授業で、「ミッドナイトクライシス」という言葉と出会いました。
ミッドナイトクライシス、って聞いたことはありますか?
直訳すると、中年の危機です。
中年期の心の葛藤、不安定な心理状態を指します。
人生の折り返し地点、30代後半から50代くらいで陥りやすいと言われており「自分の人生は本当にこれで良いのだろうか?」などと考えて、これまでの生き方や自分自身に自信がなくなってしまい悩んでしまう現象のことです。
それで、その授業で紹介されたミッドナイトクライシスの例が「会社員として順調に出世し、家庭も円満、順風満帆に生きてきた40代の男性がミッドナイトクライシスに陥り、会社を退職し、趣味の絵画で生きていくことにしたけれど、絵画の仕事に失敗し、家庭もうまくいかなくなり、全てを失うことになった」というものだったんですね。
好きなことをして生きていこう!
よく自己啓発本に書かれていますよね。でも、ミッドナイトクライシスの例にあがったように、実際は、自分がやりたいことと、自分ができることって違うんですよね。
もちろん、若ければ体力も気力も時間もあるからいいと思うんですけど、ある程度の年になったら、自分がやりたいことをやるよりも、自分ができることをやる方が成功確率はあがるんですよね。
年齢なんて関係ない!思いたったが吉日だ!なんて、確かに一理あるんですけど、極端な話、30代後半でスポーツ経験のない人が、今からオリンピック選手になる!と、どんなに頑張っても無理なことはわかりますよね。
ここでミソなのは、オリンピックのような極端な話ならともかく、会社を立ち上げて成功するとか、自分の趣味を仕事に拡大して成功するとかはなんとなくあり得そうということです。
ありえそうな成功話に、特別な私。
うんうん。
成功しそうですよね。
でも、ちょっと待ってください。
そこは、もう少し冷静になって考えてみたほうがよいかもしれません。
意識が成功に近づいていても、実際の自分の実力はどうなのでしょうか。
自分は特別な人間だから必ず成功すると、意識だけが独り歩きしていないでしょうか。
自分だけは大丈夫と思うことを「正常性バイアス」と言います。
まあ、文脈的には、ちょっと違う使い方をすることが多くて、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価する特性のことで、たとえば「地震で多くの人が亡くなったりしていても、遠い場所でのことだし、自分は大丈夫だ、と自分がいるところで地震が起こっても非難しない」みたいな使い方をしますかね。
確かに、自分という人間は、世界でたったひとりしかいない特別な人間であることは間違いありません。
でも、「特別な人間」の意識が強くなりすぎると、危険ですよ、というお話です。
わたしは、結構、読んだ本に影響されてしまうので、特に気を付けなければ、と思うのです。
とはいえ、やっぱり、踏み出さないと何にも得られないことを考えると、踏み出さないで安全な道を生きるよりは、何もかも失ったとしても踏み出した方がわたしらしいと思ってしまったりして。
あ、もしかして、
今、わたしが何かに迷ってるの、わかっちゃいましたか?笑
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