【写真日記】白山神社を求めて奥美濃・郡上白鳥をゆく①
先日の日曜日、夫と二人で岐阜県郡上市白鳥町に行ってきました。
この冬期間は「マンボウ」発令中だったため、(雪かきをしながら)大人しく引きこもり生活を送っていましたが、ようやく解除されたので、久しぶりにドライブに出かけてみました。
郡上市白鳥町ってどこにあるの?
さて、今回目指した郡上市白鳥町について、岐阜県の地図を用いて、位置を簡単に説明しますね。
まずは郡上市について。
下の地図をご覧ください。青色の〇印をつけた所が郡上市です。
東海地方の方なら、郡上市と言えば、名古屋から日帰りで遊びに行けるスポット(スキー場や牧歌の里)があることで有名ですよね。あと、水と徹夜踊りで有名な郡上八幡があります。
◇
次に、下の郡上市の地図を用いて、白鳥町の位置を確認しましょう。
郡上市には7つの町がありますが、その中で、下の青い〇で囲った市が、白鳥町です。
ちなみに、この郡上市は、平成の大合併により、旧郡上郡だった地域が一つになって新たに誕生した市です。
高山市からは、車で高速道路(東海北陸自動車道)を通れば、約一時間ほどで到着します。
…ということで、位置が分かったところで、いざ出発です。
車で一路、郡上白鳥へ
夫と車に乗り込み、まずは中部縦貫自動車道に向かい、そこから東海北陸自動車道へと入ります。
高山市街地の雪は、ほぼ解けてしまいましたが、この高速道路はかなり標高が高い地点(約1000mほど)も通ります。そのため、路肩には、まだ雪がたくさん残っていました。
やがて、車は高山市から郡上市に入りました。
途中、ひるがの高原サービスエリアによって、しばし休憩タイムです。
ひるがの高原SAで必ず食べるソフトクリーム
ひるがの高原サービスエリアといえば、絶対に外せないのが、こちらのソフトクリームです。ご当地の牛乳で作られている逸品・ひるがの高原ソフトクリーム。
ミルク感100%で、とっても美味しいソフトクリームなのですよ~。
この冬は、かなり雪が降ったとみえて、SA内には雪の山がポンポンと二つ残っていました。下は、その中の一つ。
さて、また車に乗り込み、出発します。
高鷲インターチェンジで高速道路を下りて、下道へ…。
やまびこロードを通って、白鳥町に向かうことにしました。
「やまびこロード」で〇〇〇〇に遭遇
さて、「やまびこロード」…今回初めて通った道路ですが、調べてみたら、バイクツーリング族の皆さんから愛されている道路だそうです。
今はまだ芽吹いていなくて景色がイマイチですが、春を迎え、新緑の季節になったら、きっと美しい景色が楽しめるのでしょうね。
このドライブ中、なんと!ニホンカモシカに遭遇しました。
最近、私はよくカモシカに会うんです。散歩の時にバッタリと…。しかし、まさか郡上でも遭遇するとはビックリ。
こんな感じで、野生の動物に偶然出会えることも、山道ドライブのお楽しみです。
しかし、今回はカモシカだからまだいいけど、これが熊やイノシシや猿だったら絶対に怖いです。野生の生き物は、人間とは別の世界を生きているので、偶然でも出会うとやはり緊張しますね。
それにしても…。
どんどん淋しい山道へと入っていく私達。大丈夫かしら?
この道で合っているの?不安がいっぱいの山道ドライブ
カーナビの通りに進んでいるけど、見た目がイメージと異なると、やはり不安になるものです。
「おいおい、これって本当にやまびこロード?間違ってない?」と、ロードと呼ぶにはあまりに淋しすぎる一本道を走りながら、どんどん不安になっていきます。
そんな私たちの心配に比例して、どんどん細くなっていく山道。
昨年のドライブの悪夢が脳裏をよぎります…。大丈夫か?おいおい。
カーナビが指し示す通りに走行していても、「これで間違いない」と言い切る自信が持てなくて、だんだん心細くなってきます。
…と、そのまま進み続けていたら、谷に下りてきたようです。拡張された道路に出てきて、ホッと一安心。
更に進んでいくと、人が暮らしている集落に出てきました。
良かった、よかった…(泣)。
こうして国道156号線に出てきたところで、ちょっと休憩することにしました。
道の駅「白山文化の里長滝」で学ぶ・食べる
国道156号線を走っていくと、途中で、道の駅「白山文化の里 長滝」が見えてきました。
ここで車を停めて、休憩します。
長良川の上流は、雪解け水でいっぱい
「道の駅」の建物の裏に行くと、轟々と水音をとどろかせながら勢いよく流れる川がありました。
長良川です。
長良川は、ここ郡上市にある大日岳が源であり、奥美濃から濃尾平野へと流れ込むにしたがって、大きな河川となっていきます。
今はちょうど雪解けの季節のため、周辺の山から流れ込む雪解け水によって、水量も水勢もかなり増していました。
雪解け水を運ぶ川の音は、ゴーゴーとかなり大きくて、うるさいくらいです。でも、これも「春を告げる音」なんですよね。
雪国の民にとっては、待ちに待った春です。
「白山文化博物館」で、白山と白鳥の歴史を学ぶ
この道の駅の横に、「白山文化博物館」があるのを見つけました。
ちょっと入ってみましょう。
建物の屋根が、ちょっと個性的な形をしているので、「何だろう?」と思ったら、白山の形を模しているそうです。
中に入ると、展示物は
①白山への信仰にまつわる歴史文化や自然を紹介するテーマ展示
②白山麓の山里の暮らしを伝える歴史民俗資料
③江戸時代の郡上宝暦騒動(郡上一揆) の傘連判状などの展示
の三つのコーナーに分けられていました。
順路にそって①→②→③と順番に見学します。
いろいろ回ったなかで、私が個人的にも最も気に入り、特に印象に残ったのが、②の「白山麓の山里の暮らしを伝える歴史民俗資料」のコーナーです。
最近、私は『日本の秘境』という本を読んでいるのですが、
この本には、昭和30年代の日本各地の秘境(山間部の集落)の様子が記されています。主に、山間部の僻地の様子が克明に描写されているのですが、これがなかなか凄いのですよ。
昭和30年代は、「開発される前の日本」が至る所にまだたくさん残っていて、今、私たちの目の前にあるような古い道具(まるで昔話に出てくるようなもの)を使って、人々は自然と共に暮らしていたのです。そう、これらが当時のノーマルスタイル。
そんな古き日本の様子が、思いがけず、この館内の展示物を通してリアルに伝わってきて、現実味をもって感じ取れたのです。本の中の情景と繋がったのです。
昭和30年代は、私はまだ生まれていなかったけど、私の両親にとっては、青春時代の真っただ中でした。更に、私の祖父母の世代にとっては、子供が成人してホッとひと段落ついた時代。
私から見たら、それほど遠い時代ではなく、まだ薄皮一枚で繋がっている時代…。ぐっと手を伸ばせば、指先に少し触れることができる時代です。
かつて私の家族も体験していたであろう…「昔の暮らし」。まだほんの50~60年前までは、これが普通だったんです。
21世紀の今は、もう当時の道具を使う人はいないし、過酷な自然の中で細々と暮らしを営む人も今はいません。時代の変化と共に、暮らしにまつわる文化や伝統も消えていきました。こうしている今も、少子高齢化による人口減少によって、かすかに残された文化や伝統も、また集落も…、どんどん消失し続けています。
経済活動が盛んになるにしたがって、昔の価値観に添ったものは全て、「恥」として扱われ、消し去られてきた時代。
だから、すっかり忘れていたんですよね…。
昔、祖父母たちの世代は、ここにあるのと同じ道具を「日用品」として普通に使って、毎日暮らしていたんだなぁ…と。合理的でもなく経済的でもない、大変な労力と手間がかかる手仕事によって、なんとか成り立ってきた世界だけど、こうして振り返ると、なんと愛しく豊かなことか…。
私のルーツは飛騨ですが、意外にもこの奥美濃にて、大量に残され保存されている古い道具たちを見て、触れて、人が自然の中で生きていくことの深さと重みを感じたのでした。
岐阜県の清流と言えば「鮎」!アユ料理を食べる
博物館を出ると、ちょうどランチタイムです。
そこで、道の駅の中にある「レストラン里川」で、お昼ご飯を食べることにしました。
ここで私たちが食べたのは、こちら。
じゃーん!鮎雑炊です。
こんがり焼いた鮎が入っているので生臭みは無く、とても美味しかったです。
ちなみに「鮎」って骨が多いから、正直「どうかな?」とハラハラしながら食べたんですが、多少の小骨はあったものの、大きな骨は抜いてあったみたいで、とても食べやすかったです。
猫舌なので、フーフーしながらゆっくり完食。
ごちそうさまでした!
◇
レストランを出ると、長良川の鮎について展示してあるコーナーがありました。この建物は「清流長良川あゆパーク」というそうです。
白山と白鳥について勉強し、お腹も満たされたので、次にいよいよ「本日の目的地」へと向かいます。
②に続く