そろそろ「昭和の呪い」から開放されてもいいんじゃないの
先週末、息子が帰ってきました。
週末のお休みを利用して、3泊4日の短期帰省です。
この間、息子は「春の高山祭」に参加したり、こちらでまだ残っていた諸々の手続きを完了させたりして、バタバタと忙しく過ごした後、あっという間に向こうへ戻っていきました。
私たちも、息子が帰ってきたからと言って、特に感傷に浸ることもなく、慌ただしく過ごしていました。
ただ、ちょっと心配していた向こうでの新しい職場について、息子に「どうだったの?」と聞いてみたところ、息子曰く「前の職場より、めっちゃホワイト」とのこと。
あぁ、そうなんだ~。それは良かった。
…と、夫も義母も胸をなでおろしたのでした。
◇
思えば、私たち昭和世代は、「安定・安全・安心」志向が強くて、就職に関しては、新採で一度入った職場は、定年を迎えるまで働きづけなくてはいけない!という固定観念でガチガチに凝り固まっているところがあります。
子供の頃から親や親族から、「いい学校を出て、いいところに就職して…」とずっと言われ続けてきて、終身雇用こそが「絶対安心&安定の幸せコース」と刷り込まれてきたんですよね。
今も、田舎の年寄りは、孫や曾孫の就職先が「役場」「農協」「郵便局」「大手電力会社」に決まると、大喜びですもん。
安定こそが神…という思考だから、安定した職に就いた=でかした!「成功レール」にうまいこと乗っかった!これで我が家も安泰!なんですよ。
それなのに、この神コースから自ら外れるなんてことは、非常に恐ろしいことで、絶対にありえないことです。もしも、そんなことをしようもんなら「お前は不幸になる」という呪いまでかけられています。
それはまるで、『北斗の拳』の「お前はもう■んでいる」のセリフのようなもので、ケンシロウに「アタタタタタタタタタ…!」と秘孔を突かれてしまったら最後、ヒデブー!と叫んで臨終を迎えるのが確定…みたいな、そんな恐ろしい呪いなんですよ。
だから、息子が「今の仕事を辞めて、新しい世界に飛び込みたい」と言い出した時、息子の職場の上司はかなり焦って「無鉄砲に飛び出してはいけない。よく考えて!」と説得にあたってくれたようです。夫も、最初はものすごく心配していました。
もちろん私も…ですが、いやいや、私の場合は、そこまで心配はしていなくて(←多分、直感型で運のいい息子のことだから、勝手に道が開けていくだろう…と思っていた)、ただ、引っ越しのこととか就活とか、そういう手間がかかることを果たして息子一人でやれるんだろうか?…と、甲斐性の面で心配していました。
でも、そこは案ずるより産むが易しで、なんとかなって今に至っています。
しかも、息子の話によると、新しい職場は「昭和の呪い」の通りに悪くなるどころか、前より良くて快適とのこと。
前と同じ職種だけど、労働条件はうんと良いし、障害者枠で入った職員への対応もバッチリだし、息子曰く「働きやすくて、モチベーションが上がる職場」だそう。確かに忙しいけれど、職員に無理させるようなところはなく、皆で責任を分かち合って仕事をするから効率も良く、職員間の雰囲気もとても良くて、明るい気持ちで働けるようです。
人たらしな息子は、もうすっかり職場の皆さんと打ち解けているようで、明るく生き生きしていました。
こんな感じで、新しい環境について、面白おかしく楽しそうに語ってくれる息子を見て、
えっ!?絶対安定&安心の「成功レール」から外れても大丈夫なのか!?
いや、むしろ外れて正解だったかも…。
…と、目から鱗が100枚くらい落ちた上に、古い価値観でゴリゴリに固くなっていた頭が木っ端微塵に割れまくった昭和世代だったのでした笑。
若者のチャレンジは、固定観念バリバリの石頭な大人たちに、いい刺激を与えてくれますね。
そんな息子の話を聴きながら、私も「昭和の呪い」を踏み越えて、他人の意見や世間体など気にせず、興味のあることにどんどんチャレンジしていこう!…と思ったのでした。
だって老い先短いんだもの。
人生、楽しまないと…ね。
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