彼の好きなところ10
好きポイント⑩夢を応援してくれる
何度か触れてきてはいるが、私は会社員という働き方に限界を感じてきている。会社員が悪いと言いたいわけではない。私には合わないのだ。
・通勤電車に揺られる
・規則に縛られる
・人から指示された仕事をする
・休日や起床時刻を人に決められる
・勤務時間や給与を人に決められる
・組織の一員としてチームワークを発揮する
挙げ始めたらキリがないが、これらが全て嫌いだ。
今の職場は好きだが、将来的には個人事業主として生きていきたいという希望がある。在宅でできる職種が理想である。経営者か、フリーランスか、あるいはどちらもかは決めかねているが、少なくとも一生会社員を続けていく意思はない。
一時期、会社員+経営者+フリーランスという三本柱で働いていたことがあるが、あまりに忙しすぎてフリーランスを手放し、今は会社員+経営者のダブルワーク状態だ。経営者専業or経営者+フリーランスという働き方が自分には合っていそうなイメージは沸いた。彼にはそんな話もしていた。
彼は学生バイトではあるが、大学卒業後、とある学校に通い、渡米して就労経験を積んだ後、帰国して経営大学院に通い始めた。院生をしながら私の勤め先にバイトとして入ってきたので、年齢は私の1つ下だ。経営学を専攻しているため、経営者になりたいという私の夢をかなり本気で応援してくれる。
会社員を辞めたいという意思が先行しているため、何をしたいかが明確ではない。今の事業を大きくして生計を立てていくか、趣味と繋げた新たな事業を開拓するか、そもそも物販かサービスを提供するのか、何も定まっていない。ただ、私がずっと歌が好きで続けてきたことを話すと、彼は「表現者気質だし続けた方がいいよ。ライバーやれば?」と言ってきた。ずいぶん昔、歌の配信をしていたことを思い出した。潜在意識を見透かされたようで少し怖いぐらいだ。
彼は就職とともにバイトを辞めたのだが、いつか経営者になりたいという想いを抱いていることは私と共通している。彼の就職先は一応雇われの身ではあるものの、業務委託という形になり、個人事業主としてのキャリアがスタートした。出勤時刻もわりと遅めで、月の給与が決まっており、その中でノルマを達成しさえすれば決められた時間に職場にいなければならないという決まりはない。彼の初年度支給額は、一般的な会社員のそれよりも水準が高かった。
本当に好きな職種で、見合った額の支払いがあるというのは私としても理想の働き方である。恋愛感情や女としての魅力というところは抜きにして、自分が本当にやりたいことは何か、理想の働き方は何かを追い求める私は、一社会人として話していて面白い存在だったのだろう。恋愛関係は上手くいかなかったけれど、彼はずっと好きな人であり続けるし、彼の成功を願っている。私もまた彼にそんなことを思われていたら幸せだなとは思うものの、そんなことは心の奥底に眠らせておいた方が誰にとっても丸く収まるのである。