熱意なく、没頭せず、活力も低い学校への処方箋(後編) | 【月刊 学校法人】連載企画 2023年10月号
月刊「学校法人」に連載している「教育テックで変える未来社会」から、過去掲載された記事をnoteでご紹介させていただきます。
転載元:月刊 学校法人(http://www.keiriken.net/pub.htm)
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教育テックで変える未来社会(第 7 回)
熱意なく、没頭せず、活力も低い学校への処方箋
~教育テックで回す「学校経営者」「教職員」「学習者」のエンゲージメント・サイクル~
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教育エンゲージメント・サイクルとは
学校経営者エンゲージメントで触れたパーパス経営。ここで定める学校の存在意義とはつまり、「その学校で働く教職員や卒業していく学生生徒たちが社会にもたらす、具体的で手触り感のある価値とは何か」である。そのパーパスに共感・賛同し、集いし教職員(求職者)と学生生徒(保護者)たち。ブルシット・ジョブの類はテクノロジーに任せ、教職員一人ひとりの才覚が十二分に発揮されることで、意欲と熱意高く職務に没頭する教員。 そんな教員に寄り添われ、一人ひとり全く異なる自己実現欲求を探索・深掘りする学生生徒 たち。見出された自己実現欲求とその実現に必要な学びの動機付けを得る学生生徒たちは、自ら進んで欲する学習を、自らの理解度に基づく学習進度で、年齢に制限されずに進めていく。 そして、各々の才能が最大化され開花し、社会の更なる発展に貢献していく。教育機関にとっ て、卒業生の活躍、成功こそ何よりの成果であり、喜び、実績である。パーパスに基づくエンゲージメントの結実として、卒業生の大成は学校経営者エンゲージメントにフィードバックされ、強化学習されていき、パーパスに磨きがかかって純化していく。
この(1)学校経営者エンゲージメント、(2) 教職員エンゲージメント、(3)学習者エンゲー ジメントのサイクルを「教育エンゲージメント・ サイクル」(図3)と呼び、教育界のエンゲージメントサイクルが好循環で回っている状態を目指したい。
一方で、現状の教育界のエンゲージメントサイクルは、逆の悪循環の構造に繋がっているケースも多いのではないかと考える。
学校経営は少子化の影響もあり厳しさを増し、より高いミッションを掲げる一方で、教職員のエンゲージメントは働き方改革が叫ばれるように労働の量と質は却って悪化する。十分に熱意もなく、没頭せず、活力も低い教職員によって、学習者への教育の質・量の悪化に拍車をかけて、学校への学習者の期待値は下がり、受験勉強は民間の学習塾に流れて、また不登校やいじめに拍車をかける。このような悪循環構造が学校には存在し ないと言い切れないのであれば、見える化から 始めてしかるべき手段を講じていく必要がある。 そのときに、経営ミッションの達成、教育の 質の向上、教職員の働き方改革などの同時実現 のためには、教育におけるテクノロジーの活用 が欠かせないと筆者らは考え、その実現のため に、読者諸氏と共に研究と実践を進めていきたい。
転載元:月刊 学校法人 http://www.keiriken.net/pub.htm
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