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#書評

レティシア・コロンバニ「三つ編み」を読んで  私たちは戦っていい

レティシア・コロンバニ「三つ編み」を読んで  私たちは戦っていい

私たちは戦っていい
「鏡にうつる自分の姿は敵ではなく、味方でなくてはならない」
―レティシア・コロンバニ「三つ編み」

仕事との戦い、子供との戦い、家族との戦い。
最近そうやって、何かを「戦い」と形容するのを避けていた。 

だって、人生は戦いなんかじゃない。もっと幸せなものだ。だから肩の力を抜いていい、深呼吸してリラックスしよう。ずっとそう思ってきた。

だが、しかし。

それで

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彼女のようには生きたくない、でも大好きだ。 「村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝」を読む

彼女のようには生きたくない、でも大好きだ。 「村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝」を読む

ここ数年で、ダントツに面白かった本といえばこれだ。

村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝。その名の通り、伊藤野枝という女性の生涯を追っている。

明治に小さな漁村で生まれ、
活字を読みまくり、
堂々と金を無心し、
評論や創作をガツガツ書き、
好きな男とセックスしまくって、
子供を7人も産み、
世の中の圧力や理不尽に異を唱えつづけ、
28歳で憲兵に殺されてしまった。

野枝の名前は、よく「婦人解放

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