![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111393006/rectangle_large_type_2_bdcd2edf82700dc18816a27f36afa485.jpg?width=1200)
【一日一文】後白河法皇「心の澄むものは、霞花園夜半の月、秋の野辺、上下も分かぬは恋の道、岩間を漏り来る滝の水」
7月22日
後白河法皇が編纂した歌謡集から、一文をご紹介します。
後白河法皇は平安後期の法皇。
「鎌倉殿の13人」に登場していたことは記憶にも新しいですね。
親王時代に今様(当時の流行歌)を好み、歌集「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」を編纂しました。
遊びをせんとや生れけむ、戯れ(たわぶれ)せんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さへこそ動かる(ゆるがれる)れ。
※
心の澄むものは、霞(かすみ)花園夜半(よわ)の月、秋の野辺、上下も分かぬは恋の道、岩間を漏り来る滝の水。
※
風に靡く(なびく)もの、松の梢の高き枝、竹の梢とか、海に帆かけて走る船、空には浮雲(うきくも)野辺には花薄(はなすすき)。
口伝えで残された、趣のある歌謡が集められています。
「遊び」には、子供の遊びと、遊女との遊びと、二つの意味が類推されますね。
ありありと目に浮かぶ四季の光景に、気持ちも安らぎます。紫式部や清少納言の生きた平安の時代から、自然の移ろいは変わらないのです。
後に兼好法師が記した「徒然草」の世界観と、どことなく似ています。
それもそのはず。
徒然草第十四段に文責が引用されていました。
梁塵秘抄の郢曲(えいきょく)の言葉こそ、また、あはれなる事は多かめれ。
こんどの休日は、つれづれなるままに遊んでみるのはいかがでしょうか。
心を澄ませ、風になびくものを見いだす一日を暮らすこと!楽しみな一日になりそうです。
みなさまも、良い週末をお過ごしください(^^)
「一日一文」不定期に更新を始めます。
哲学者・木田元(きだ げん)氏編纂の本「一日一文」から、心にとまった先人の言葉をご紹介したいと思います。
ひとつは自身の学びのため。
ひとつはすこしでも豊かな気持を分かち合うため。おつきあいいただけると幸いに思います。