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【一日一文】ゴーガン「タヒチでは、太陽の光線が、男女両性へ同じように光を投げかけるように、」

8月14日

ゴーガンが記した「ノア・ノア タヒチ紀行」から、一文をご紹介します。

ゴーガンはフランス印象派の画家。
ゴッホとの同居生活を解消した後、タヒチに移住。ポリネシアの自然と女性に、楽園のモチーフを求めています。

タヒチでは、太陽の光線が、男女両性へ同じように光を投げかけるように、森や海の空気が、皆の肺臓を強健にし、肩や腰を大きくし、ひいては海浜の砂までも大きくするのである。

女は、男と同じ仕事をやる。男は女に対して無頓着である。ーーーだから、女には、男性的なところがあり、男には、女性的なところがある。

「ノア・ノア タヒチ紀行」より抜粋

タヒチでの滞在をつづった紀行文です。
自然の中で、スローライフを堪能しながら絵を描く日々が想像されます。

待望の南の島で、光あふれる日々だったのですね。素朴なタヒチでの生活に驚く様子や、価値観の変換するさまがありありと目に浮かびます。

タヒチに楽園があると信じていた頃の、ゴーガンの心象が目に浮かびます。

その後フランスで批判されたり、子どもを失ったり、病気や借金に苦しんだりといった苦悩が訪れるとは、まったく想像できない明るさが切り取られています。




「一日一文」不定期に更新を始めます。
哲学者・木田元(きだ げん)氏編纂の本「一日一文」から、心にとまった先人の言葉をご紹介したいと思います。

ひとつは自身の学びのため。
ひとつはすこしでも豊かな気持を分かち合うため。おつきあいいただけると幸いに思います。

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