《ジャズ+ミニマル・ミュージック+ファンク+ECM》
これまでに誰も考えなかった不思議なコンセプトを体現し、しかも、ECMからデビュー。ニック・ベルチュはすぐにヨーロッパの現代ジャズ屈指の人気アーティストになった。
そのうえ、バンド名はRONIN=浪人、曲名にAWASE=合わせ、アルバム名にRANDORI=乱取り、などとついていれば、日本人なら気にならざるを得ない。
そんなニック・ベルチュに一度くらいは日本人が日本からの影響の話を聞いておくべきだと思い、今回、取材することにした。
タイトルにも書いたが、ニックは禅を学び、合気道をしていて、音楽のコンセプトには日本的な儀式からのインスピレーションがある。一方で、ジャズ・ミュージシャンとして即興もするし、めちゃくちゃグルーヴィーなファンクを奏でもする。それがどう結びつくのか、そもそもそれらの日本の文化をどんな意味で使っているのか。今回はひたすらその話をしている。
久々の来日、しかも東京、神戸、福岡を回る日本ツアーを前にぜひ予習として読んでもらいたい。
▼ 7/8 久留米シティ・プラザ C-BOX
▼ 7/9 - 7/10 神戸100 BAN HALL
▼ 7/12 - 7/13 青山Baroom
取材・執筆・編集:柳樂光隆 | 通訳:渡瀬ひとみ | 協力:S/N Alliance
――まずはすごく基本的な質問からしてもいいですか?
◉影響源:ジャズ・ピアニスト
――「ジャズ」の部分ではこれまでにどんなピアニストを研究してきましたか?
・セロニアス・モンク
・レニー・トリスターノ
・ラン・ブレイク
・ジョージ・デューク
・シャーリー・ホーン
・デューク・エリントンとカウント・ベイシー
・クリスチャン・ヴァルムルー
◉影響源:クラシック/現代音楽
――「クラシック/現代音楽」の「ピアノ」の部分ではこれまでにどんなピアニスト、コンポーザーを研究してきましたか?
◉影響源:ミニマル・ミュージック
――「ミニマル・ミュージック」に関してはどうですか?
◉還元主義としての日本の音楽
◉影響源:ファンク
――「ファンク」の部分ではこれまでにどんなコンポーザーを研究してきましたか?
◉禅ファンクとは
――次は《Zen Funk》というコンセプトについて聞かせてください。
――そうだったと思います。
――ふむ。
――なるほど。
◉合気道からのインスピレーション
――さっきも名前が出ましたが、「合気道」はあなたの大きなインスピレーションですよね?
――たしかに。それは自衛のためではない感じがしますね。
――あー、なるほど。
◉儀式的なグルーヴ・ミュージック
――次は「Ritual Groove Music」というコンセプトについて聞かせてください。Ritual=儀式と付けたところに興味があります。
――ふむ…