【連続小説】島人えりまど君Vol.7_:全ての決着、そして(最終回)
波上宮の境内に立つと、潮風が肌を撫でた。
真夜中の那覇は静かで、月が雲の切れ間から顔を覗かせていた。
比嘉はすでにそこにいた。黒いジャケットを羽織り、顔にはどこか疲れの色が滲んでいる。
「よく来たな、イトー。」
「……お前が呼んだんだろ。」
比嘉は短く笑った。
「そうだな。だが、今夜は戦うためじゃない。」
そう言って、ポケットから一本のタバコを取り出し、火を点ける。
「俺は組織を抜けるつもりだ。」
「……は?」
俺は思わず眉をひそめた。
「お前、簡単に言