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【連続小説】島人えりまど君Vol.6_新たなる脅威

波上宮での死闘から数日が経った。

俺はまだ全身に痛みを感じながらも、通常の生活へと戻ろうとしていた。

こんな時に限って本業である経営コンサル業が忙しくなりやがる。

スラックの大量通知や、30分刻みで入れられる無駄なオンライン会議に苛立ちながらも平和な日常に戻ってきている実感はあった、

しかし、平穏は長くは続かなかった。

ある晩、俺が自宅でお気に入りの焼酎、三岳を片手にくつろいでいると、スマホが震えた。画面には「非通知」の文字が浮かび上がる。

怪訝に思いながらも通話ボタンを押すと、低く落ち着いた声が響いた。

「お前、比嘉とやりあったらしいな。」

一瞬、血の気が引いた。誰だこいつは。

「……誰だ、てめえ?」舐められないように低い声で返す、

「お前のことをよく知る者だ。話がある。今夜12時、国際通りの奥の倉庫に来い。」

そう言って電話は切れた。

俺は思わず舌打ちする。

「また厄介事かよ……。」

だが、避けては通れない。こうなった以上、俺はその場に向かうしかなかった。

無視することも考えたが、狭い那覇での話だ、どうせ家まで特定されている。


影の組織

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