○○には▲▲
前書き
サンマには秋味。
今年はサンマが大漁のようで、久々に大量に食べられそうです。サンマにはやっぱりビールの秋味。やっぱりサンマは目黒に限る。
こんな風に、〇〇には▲▲という定番の取り合わせは、古今東西、人情というものらしいです。それを破壊するのもまた芸術。
チーズにはワイン、ハンバーガーにはピクルス、カツオにはニンニク、、、こういうのは定番ですね。しかし、カツオにはマヨネーズが実は合います。こんな「破壊」もまた一興。
以下の文章は、サンマの秋ではなく、カツオの初夏に書いたものです。夏の名残とともに、お楽しみください。
本文
これは道元という人の歌で、日本で初めてノーベル文学賞を受賞した川端康成が、その受賞講演「美しい日本の私」の冒頭に詠んだことでも有名だ。
日本の四季の美しさを三十一文字のアルバムのように仕立て上げた、とても綺麗な一首である。
まさに時鳥(ほととぎす)の声も聞こえ、温かくさわやかな初夏を迎えたので、愛息の●●君を自転車の後ろ席に乗せ、近所へ買い物に行くのが最近の楽しみである。
こどもの日には、先日我が家の近くにオープンしたシャトレーゼへ柏餅を買いに行った。
さらにダイソーで鯉のぼりも買ってあげた。
男の子が鯉のぼりや柏餅を持っているのは何とも絵になる。
謂わば牧歌的な風景である。
こんな節句はあと何度あるのだろうと思うと切ない。
この名文は太宰治のものだ。なんとも秀逸。僕が言うなら
子どもには鯉のぼり
トンカツにはキャベツ
ビールには枝豆
……この「〇〇には●●」というフレーズは無尽蔵に考えられそうだ。
しかし、何といっても元祖と呼ぶべきは、清少納言のこれだ。
意外と知られていないのだが、この「春はあけぼの」は実は定番ではないのだ。
サポートも大変励みになります! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費・取材・教育に使わせていただきます!