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詩集

16
芸術と愚痴が混在する散文詩
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2023年1月の記事一覧

少年の声

少年の声
影の通り道に僕はいた
生と死の結び目でひとりだった
あと数秒で枯れる花を看取る前に
僕はそこに行ってしまった

老木に手を添えて語りかける
その魂の往来に生命は思い出した
樹影に映る遠い記憶
僕らは常に生かされている

意識と体が重なる時
世界は少し変わっていた
世界に変えられてしまわぬように
僕は黝い空に覆われて守られていた

枯れた花の香り
残滓すらも消えてしまった
ただ残った
生き

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駄作の灰に埋もれた美

駄作の灰に埋もれた美愚痴も政治も道徳も
等しく煙と灰になる
まるで業火か灰皿か
喫煙所に棲む哲学者

駄作の灰に埋もれた美
駄作の灰に埋もれた美
駄作の灰に埋もれた美
駄作の灰に埋もれた美

誰かの言ってた言葉でも
いつしか饒舌に語ってた
空っぽな器に何入れよう
飽きて捨てて何入れよう

悲劇な自分に酔っ払う
過激な自分に酔っ払う
孤独な自分に酔っ払う
酔った自分に酔っ払う

酩酊ベンチに寝転ぶ行

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