駄作の灰に埋もれた美
駄作の灰に埋もれた美
愚痴も政治も道徳も
等しく煙と灰になる
まるで業火か灰皿か
喫煙所に棲む哲学者
駄作の灰に埋もれた美
駄作の灰に埋もれた美
駄作の灰に埋もれた美
駄作の灰に埋もれた美
誰かの言ってた言葉でも
いつしか饒舌に語ってた
空っぽな器に何入れよう
飽きて捨てて何入れよう
悲劇な自分に酔っ払う
過激な自分に酔っ払う
孤独な自分に酔っ払う
酔った自分に酔っ払う
酩酊
ベンチに寝転ぶ行き場のない人
枯れたツツジと黒い雲
その割れ目から刺す陽光
夏の姿に急かされて
皆は無駄に陽気になった
そんな世間が疎ましく
今日も悩ます夜のうねり
消えてく僕の熱情に
気づかないふりをして
僕はまた暗がりへ帰る
死にたくならないように
思い出ばかりに目を向けた
何も考えたくなかった
そんな僕のこと誰が覚えているというのか
嘯くことも傷つくこともないけれど
もはや皆が忘れてる
曖昧な仄暗い部屋で酔いしれていた
樹洞の心は腐りゆく
何もないのに語るから
虚しさだけが育ってた
何もないのに語るから
手に持つナイフに気づかない
何もないのに語るから
鋭い心が鈍化した
何もないのに語るから
お前は誰より愚か者
破壊と創造の神話
貪り尽くして飽きた思想
鮮やかに塗り替えた思想
過去が知らせる未来の姿に
僕らはいつ頃気づくかな
痛みに慣れた気になって
その実、摩滅している心
曖昧な善悪に戸惑って
恋することと争うことの
違いがわからず嘯いた
繋ぎ合う手で
僕と君の愛憎も美醜も重なった
余った片手で何をしよう
酔いは終演
千年前の星空と
千鳥足のネオン街
耀く空と夜の街
今日に結ぶ過去と未来
僕らは朝陽に絆されて
暮らしは絶えず続いてく
君と語った夜、君が溶かした懊悩
夜気に広げた夢、夜気に託した感傷
あの日々が幸せだと言えるのに
どうしてこんなにも悲しくなるの?
自分の泣き顔を鏡で見た
その冷静さが嫌だった
思いが届かず笑ってる
誰かの型を演じてた
優しさ
誰もいない部屋に静謐な流体
微笑んだ微かな声が空気を揺らす
緩やかな音の階調
虚しくなってしまうから
夜風に思い出溶かしてた
すぐに失くして繰り返す
渇えた心が充たされて
僕は幸せなはずだった
すぐに忘れてしまうんだ!
僕に襲いくる痛みや不安を
希求も自意識も交えずに
そのまま言葉にできたなら
僕は優しくできるかな