Mt. FUJI100 2024 完走記
『ULTRA-TRAIL Mt.FUJI』から名称が変わった『Mt. FUJI100』の100マイル部門 (166.6km)に今年も参戦してきた。今回も、今まで味わった事のない経験をしてきたので、将来の自分の糧にするべく記録を残していきたいと思う。
100マイル部門への参戦は、
・2015年 (膝痛により心が折れてDNF)
・2019年 (降雪により最終富士吉田エイド滞在中に中止)
・2022年 (53位)
・2023年 (81位)
に続き今回で5日目。ここまでくると参加すること自体に緊張感はなかったものの、
・スタート時間が0時になったこと
・途中のエイド&ゴールが北麓公園になったこと
この2点がポイントだなと思っていた。昨年11月のバックヤードで脚を痛めてからは思うように練習が積めなかったため、タイムはそこまで望めないと覚悟し、どこまでいけるか自分でもわからないままスタートの日を迎えた。こんな気持ちでスタートラインに立つのは初めてだった。
スタートまで
25日は朝8時頃に起床。のんびりレースの準備をし、14時ごろにレンタカーを借りて出発!16時前には到着したが、荷物チェックがなかったため、すんなり事前受付を終え、物販ブースでまめさんや知り合いと談笑してリラックスすることができた。
その後、17時頃に近くの松屋で牛丼の大盛を食べ、コニファーフォレスト駐車場で仮眠を取るも、興奮していたのか30分ぐらいしか眠ることができなかった…。やる事がないため、20時代のスタート会場行のバスに乗ったのだが、これが間違いだった。21時頃にはスタート会場に到着したが、吹きさらしの駐車場なのでかなり寒かった。持っている衣服やレインをすべて着て、アスファルトで横になるハメに…(* ´ з`) 先の事を考えて、なるべく遅いバスに乗るべきだった。当然眠れはしないものの、心拍は47bpmくらいまで落ちていたから一応はリラックスはできていたと信じたい。
22時半ごろ起き、食料補給やトイレなど準備を開始。その間にもたくさんの仲間や知り合いに会い、ワチャワチャしてたらあっという間にスタート時間になった。何だかんだでテンションは上昇していた!!!
スタートからF1富士宮
スタートは第1ウェーブの中盤から後方に位置を取り、カーリー&ヤノケンと一緒に走り始めた。程なくしてリューGさんを見かけたので、少し話しながら進んだ。スタートまでに冷え切った身体も、2km位走れば大分暖かくなり、すぐにアームウォーマーを下ろした。再びカーリー&ヤノケンと話しをながら6分~6分半/km位のラクなペースで進み続けた。予想通り去年よりも周りのペースは速い感じがして、ついて行かないように気を付けた。
しばらく同じようなペースで走り続け、途中の仮設トイレに寄るため二人とは離れた。そこら辺で第2ウェーブの何人かに抜かれた。その後、鉄塔下のトレイル区間でチー100の芳野さんと合流。去年より少し遅かったせいか途中何度か渋滞があったが、芳野さんと話しながら待つ事で気分がかなり紛れた。この区間は、最後まで無理に抜くようなこともせず前に合わせて進んだが、思った以上に余裕がないような感覚に陥ってしまい、自分自身の脚のもちにも疑問を抱き始め、早くもやめたい気持ちが顔をのぞかせた(ーー;) 毎回やめたい気持ちは起きるが、30㎞未満で起きるのは普段より早いなぁ…と思いつつF1に到着。
F1富士宮 25.3km 2時間57分 424位
この次の区間は長いため、エイドでは水分補給をしっかりとし、バナナとパンを食べてトイレに行ってから出発。カーリーとヤノケンの姿は見えなかったが、すでに余裕があまりないモードだったので、無理に追いかけないようにひとり淡々と進むことを心掛けた。途中、夜中にもかかわらず応援していたトモさんを見かけたので、話しかけて元気を取り戻し山登りスタート!
この区間からは、心拍を165bpm以上にならないように意識しながら登ることで、徐々に周りを抜きながら天子ヶ岳へと向かった。途中で高松山グルグルクラブにも参加してくれているチー100の栗原さんに会えた。ちょっと進んだところで天子ヶ岳に到着。登りに入り少し調子が戻った事に ホッ!とした。その後 、明るくなり長者ヶ岳に到着。ここで撮影に来ていた、チー100の奥野さんにご挨拶。
その後も ”No.1111” のキリがいい選手に声を掛けたら、ATG TRAILに参加してくれていたらしく「楽しかったです!」と言ってもらえたり、チー100の千鶴さんに会えたり、ポジティブな気分で進む事ができた。
そして、もう少しで熊森山というタイミングでなんと今年も水越君に遭遇!去年もほぼ同じところで会ったよねwって話しをし、下りパートも気持ちよく下りていく事ができた。ただ、あと少しでロードで出るというタイミングで右膝に違和感が出てきた…。3月中旬に痛みが出始め、完治するのに3週間かかったところと同じだっただけに、ヤバい(;゚Д゚)と思ってかなり抑えて進む意識に変えた。
その後のロードの長い下りは、膝への負担を抑えるためにいつも以上にピッチ走法にして、周囲の選手よりもゆっくりなジョグペースで下りていった。膝の痛み、そしてこの後100km以上あることへの不安、抑えた結果による進まなさ具合など、どんどんマインドがネガティブになっていった。
お陰でやめる理由をずっと探しながら悶々と走る感じなってしまった。なんだったら、去年は走っていたパートも歩いてしまっている自分がそこにいた。タイムも狙えなさそうだし、諦めるしかないかなぁ…と思いながらどうにかF2に到着。
F2麓 52.5km 7時間31分 223位 区間: 27.2km 4時間33分
去年はこの先の区間の途中から気持ち悪さが出たの思い出し、富士宮焼きそばを食べたい気持ちを抑え、バナナとパンを食べた。夜が明けて眠気は全く無かったが、ネガティブマインドを変えたくて景気づけにコーラを1杯飲んだ。そして、ザックに入れていた膝サポーターを装着。(この膝サポーターのお陰でゴールまで辿り着けたので、紹介してくれたユカリさんには本当に心から感謝したい (人''▽`)ありがとうございます!)エイドを出るタイミングで他の選手のサポートで来ていたミチタロー&三田さんと話せたことでなんとか心を持ち直す事ができた。
なるべく早く出る意識を持っていたものの、F2の滞在時間は8分だった。ここから端足峠の登り口までは若干の登り勾配のトレイルだが、毎回走り続けるのが嫌になりがちになる苦手な区間。今回も歩きを交えたが、明るい時間帯で景色も存分に楽しめ、過去よりは走りを多めにすることできた。ただ、直射日光や気温の上昇で、この先の暑さに対する不安も出始めていた。
途中のトイレ付近でようやくカーリーに追い付くことができた。ちょうど水もあったため、顔を洗ってスッキリして一緒に進むことにした。話し相手がいると気が紛れるので、あっという間に端足峠の登り口に到着。そこでカーリーとは別れ、端足峠までは何とかいいペースで登ることができた。
しかし、前回からコースが変わったその先の竜ヶ岳までが想像以上の急登だったこともあり、一気に身体の重さを感じ始めた…。そうすると、またしてもネガティブマインドが登場…。今大会中、わずかな心の隙を突きまくってくる相当厄介なヤツだった。ただ、そんな最中に諒太君や鶴巻さんにも会え、少し話せたお陰で気が紛れて助かった。メンタル的にキツくても、誰かと会えたり話したりすることで持ち直せる事を今回も何度も体感できた。
何とか竜ヶ岳山頂に到達し、景色の良さと、ここからは好きな下りだ!と思え、ネガティブマインドもだいぶ落ち着いてきていた。その先は、膝の様子を見ながらゆっくり下り始めたが、膝サポーターのお陰もあって痛みも違和感程度におさまってきたため、ペースを上げて気持ちよく下っていくことができた。さっきまでやめたい…やめたい…っていっぱい言ってごめんなさい(。-人-。) と思いながら、メチャクチャ楽しんだ 。途中大河原さんにも会い、あっという間にロードに下りることができた。
少し登り基調になってきて、身体がちょっとだけ重たく感じるようになった。日射しもかなりあったため、途中のトイレで顔を洗ったり、自販機で飲み物を買ったりして身体を冷やしながらジョグペースで進んでいった。まだ走れる感じはしたが、右膝の痛みがいつ強くなるかが不安だったし、精進湖の先と北麓公園までのロードの上り坂がこの後控えているため、体力温存の意識で小走りを心掛けた。途中、去年の大会でお世話になった浜松うましかの岡本さんと遭遇した。去年も同じようなところで会って助けてもらったので、ポジティブな気分になって精進湖エイドに到着。
F3精進湖 70.7km 10時間36分 167位、区間: 18.2km 2時間57分
エイドに到着すると、ボラをやっていたマキさん、コウラさん、タマちゃんや、ミチタローの他に、何故か一緒にスタートしたはずの名取君がコーンの外側にいた。そして、ペヤングが地面に座り補給しているのが目に入った。
次の区間はロードが多く、走らなければいけないので、少し時間をかけてしっかり補給しようと思っていた。スープパスタにバナナ、オレンジ、ドーナッツ、ポテチを食べた。その間に、ひさえさんにも会い、たくさんの人と談笑できてかなりホンワカすることができた。みんなに「散歩しに来たくらい余裕に見えるよ!!」と言われたことで心にゆとりも出てきた。エイドを出る前にペヤングに一緒に行こうと声を掛けたが「ムリっ!」と言われたので、ひとりで行くことに。トイレから出たところで松井さんに会い、挨拶をして出発した。ここでの滞在時間は6分半だった。
去年は、この辺りは眠気で相当歩いていたが、今年は昼間だったこともあり、走って樹海を進み、長いロードの登り口に到着。信号待ちで少し心を整えて、この先の鳴沢氷穴まで走り通す決意をした。この区間は、とにかくダラダラと長い上り坂が続くので、徐々にキツさが増していき、歩こうとする誘惑に負けそうになってしまう所だ。練習の時からここを走り切るイメージを持っておくといい気がしている。今回は、途中でトモさんの応援や、鳴沢氷穴でシンゴさんにも会えたことで最後まで走り通すことができた。
シンゴさんからは「少し前にヤノケンがいるよ!」という話を聞いた。飲み物を買い、無理に力んでペースを上げないようにリラックスするイメージをもって足和田山のトレイルに突入した。トレイルの登りに入って少し行ったところで、逆走応援をしていた西村さんに遭遇。そこからちょっと行ったところで前方にヤノケンを発見!少し辛そうに歩いていたが、追いつき声をかけるとペースを合わせてきたので一緒に進む事にした。さらに進んだところで今度は西山さん、ONO練の千葉さんに立て続けに会い、4人パックで足和田山からの下りを進んでいった。
ここでも色々話せたことや全体の半分を超えたこともあり、ネガティブマインドから「ここまで来たのにやめるのは勿体ない!突き進むぞ(゚∀゚)!」モードに突入し、ラクな気分でロードに下りることができた。少し進んだところの自販機でまた飲み物を買っていると、今度はペヤングが追いついてきた。そこからは5人パックでロードを走り、グルラン気分の楽しい区間だった。
その後、北麓公園に向けた長い登りのロードで自分だけ走り続ける選択をし、そこからはひとりで進むことになった。少し歩きはしたものの8-9割走り続け、下り基調になったところでノリさん、敏彦さん、シンタローさん大野さんたちの声援を受けた。北麓公園へ向かい、エイドに向けて登り返した先では、妻や高松山グルグルクラブの仲間、LDAの方々やら多くの知り合いに迎えられ嬉しい気分でF4に到着。
F4北麓公園 97.4km 14時間28分 122位、区間: 26.7km 3時間45分
エイドでボラをやっていたアヤノさんと少し話しながら補給をし、ATG TRAILで走っていた方や他のボラの方々とも話をすることができた。そして、体育館へ行ってデポバックを受け取ったり、着替えたり、補給の入れ替えを行った。その時、持って行ったジェルやお菓子は2割ぐらいしか食べていないことに気が付いた。すぐ横にはゴーリさんがいて、話をしながら準備ができ、ここでもかなりリラックスすることができた。また、さっきまで一緒に走っていたペヤング、ヤノケンだけでなく、水越君やらカーリーもエイドに入ってきて、みんなまだまだ元気そうだったので安心した。最後にもう一度エイドの方々にお礼を言いに行き、体育館出口で必携品チェックを受けエイドを出発した。滞在時間は16分と少し長めだった。
エイドに入ってくる際に通った交差点でまたみんなに応援してもらい、思わずペースを上げたくなったが、相変わらず膝は少し痛みがあるため、このまま特に下りは無理しないで走って進む意識を持った。結果として山に入るまでの下りで3-4人に抜かれたが、まだ先は長いので焦りは特に感じなかった。その後の山パートはリズム重視で登ったが、そこそこ登れている感じがあったので、かなりポジティブなメンタルになってきていた。動きも徐々に良くなってきたので、むしろ少し抑えるくらいの感じで忍野エイドに向かった。
F5忍野 113km 17時間00分 106位、 区間: 15.6km 2時間16分
エイドでは、パンとバナナを食べてサクッと出ようとしたところでハッセーが目に入ってきたので、声を掛けて一緒にエイドを出発。滞在時間は4分だった。この区間は、山までフラットなロードが続くため、何とか走り続けたかったので、ハッセーと会えて良かったー!と思った。ハッセーは「かなりつぶれた…。」と言いつつも走るペースはほぼ同じで、結局林道入り口まで一緒に走り続けられたので本当にありがたかった。そこからは先行する形になり、かなりいいペースで進むことができたし、平尾山手前の階段で使う脚が切り替わって気持ちよく登りきることができた。間違いない復調を確信し、気分爽快でトレイルを走り抜けることができた。この区間は、毎年気持ちよく走れていたので自信があったし、やはり今回もいいリズムに切り替わるポイントになった。
もしかしたら、このままいけば100位以内に入れるかもしれない!と考えるようにもなっていった。ただ、前半の本当に辛すぎてやめたい…とネガティブになっていたことを思い出し、「3回連続で100位以内を達成したら、今回でFUJIは卒業しよう!」というよくわからない決意を胸に進んでいった。そのまま山中湖湖畔に到着し、タマちゃん、ペヤングの奥さんたちに応援してもらい、気持ちよく湖畔を走ってF6に到着。
F6山中湖 122.5km 18時間31分 93位、 区間: 9.5km 1時間26分
ようやくここからが勝負だ!と思えてきたので、豚汁におにぎりを入れてサっと食べ、給水をしてパンを食べながら急いで出発した。滞在時間は6分だった。ここでもまた高松山グルグルクラブの仲間に応援してもらい、相当元気が出た。そして、100位以内に入れたことも分かったので、ここからは我慢というよりは、少しずつ力を出す意識に変えていった。
ちょうど日が落ちてヘッドライトを使うようになり、前後の選手の位置がわかりやすくなった。鉄砲木の頭に向けた登り始めで、少し後ろに選手がいることがわかったので、その選手に追い付かれないように進む意識に切り替えた。今大会中、1番いいリズムで登れていたかもしれない。そのまま山頂を過ぎ、トレイルのアップダウンを繰り返すルートに入った。ペースを落とさないように意識することで、前に追いつけることも多くなり、キツさも楽しむことができた。ゾーンに入った感覚なのかな?この区間は、毎年昼間だったのが夜に変わり、足の運びは少し慎重になったが、違う雰囲気も楽しむことができた。
ここまでたくさんの人たちの応援のお陰で何とかやめずに進んでてこられた分、ここからは頑張って順位を上げることで恩返しをしよう!との思いで進んでいけた。もうちょっとで石割山というポイントで、最後の下りに備えてジェルを摂った。少し体調に違和感が出てきたものの、そのまま下りに突入して無理せずF7に到着。エイドに入る直前で秋葉さんに応援してもらった。
F7二十曲 136km 21時間36分 72位、 区間: 13.5km 2時間59分
エイド内にチー100の定本さんがいた。自分より強い人がいたので驚いたがどうやら体調を崩したとの事。自分も気を付けてここからの急登パートに備えてちゃんと補給しようと思っていた矢先、さっきの違和感が気持ち悪さに変わっていることに気付いた。ただ、その時点ではそこまで酷くはなかったので、補給を一時的にやめて胃腸が復活するのを待つことにした。後で補給するためにコーラをボトルに入れ、パンを持って早々に出発した。後から考えれば異変に気付いた時点でお湯を飲むなどすればよかったと思えるが、その時はすぐに治るだろうと安易に考えてしまった。
そして、ここからが地獄の始まりだった…。全く胃腸のムカムカが取れないし、吐きそうになるが実際には何も吐くことはできなかった。さっきまでとは全然違う弱々しい登りになってしまい、徐々に後続にも抜かれ始めた。もう走りたくない・・・進みたくない・・・気持ち悪い・・・眠い・・・やめたい・・・ひとり弱音を吐き続け、愚痴が止まらなくなっていった。
この区間の杓子山前の急登は、手を使って登らなければならず、それが逆にリズムが変わるきっかけとなり、復調するパターンが今までは多かった。しかし、今回はそんなこともなく、力が入らないことによる滑落の恐怖に怯え、暗闇の岩に張り付きながらゆっくり慎重に登っていった。何度も何度も立ち止まり、杓子山からの下りやその先の霜山を超えられるイメージが全く持てなくなっていた。最後のエイドでリタイアしよう…と思いながら、やっとの思いで杓子山山頂に到着。
ここでなんと・・・ケースケさんがいたー!(´;ω;`)ウゥゥ 思わずやめたいと弱音を吐き、椅子に座って少しうなだれながら話をした。ケースケさんに今の正直な気持ちを打ち明けたお陰で、少し持ち直すことができ、どうにかこうにか下りパートに入っていくことができた。ただ、気持ち悪さや力が入らない感じは相変わらずだった。
ここの下りは、2019年の雪の時ですらコケずに上手く進めた自信のあるパートだった。にもかからわず、今回はかなりゆっくりになってしまい、何人かに抜かれた。抜かれ始めるとどんどんメンタルが落ちていき、勢いがなくなり、更に睡魔に襲われるという悪循環に陥ってしまった。そして、林道に出たところで、走りながら見ていた幻覚がいつの間にか夢に変わっていることに気が付いた。滑落やロストなどのリスクも考えられたので、林道脇に溜まっている落ち葉で気絶する(コース上で眠ってはいけませんw)決断をした。落ち葉は意外と暖かく、すぐに5分ほど気絶することができた。少し気絶することで夢は見なくなったが、幻覚は消えないので最低限のペースで走り、やっとの思いでF8に到着。結局、この区間だけで去年より30分以上かけてしまい、気絶している間にも抜かれただろうから、正直100位内は無理だな…とこの時点で諦めた。
F8富士吉田 147.8km 24時間40分 75位、 区間: 11.8km 3時間04分
ここでリタイアしようかかなり悩んだ。けれど、応援してくれた家族や仲間の顔が思い浮かび、思いとどまることにした。日ごろ高松山グルグルクラブではポジティブなことしか言ってないのに、気持ち悪さと睡魔にメンタルが負けてやめるのはカッコ悪いと思いつつも、何時間か前に立てた「3回連続で100位以内を達成したら、今回でFUJIは卒業しよう!」という決意をあっさりと撤回し、「完走出来たら、今回でFUJIは卒業しよう…(ノД`)/~~~」に変更した。相変わらず眠いし、気持ち悪さも治ってなかったため、カフェインピルを飲んで少し眠る事にした。身体を冷やしたくはなかったので、うどんをもらってストーブの前で目を閉じた。(エイドでは眠っても大丈夫ですw)
結局30分くらいエイドには滞在していて、そのうち15分くらいは眠っていただろう。その際に水越君とペヤングに追いつかれた。「100位内は無理そうだからゆっくり休んでいくよ…。」と伝えると、「まだ80位前後位だから余裕でしょ!」と言われたので、ちょっとだけポジティブなメンタルになれた。結局うどんを食べる気にはなれなかったけど、スープは飲めたので胃腸は回復傾向にあることに気付け、気を持ち直して最終エイドを出発した。
ストーブ前だったとはいえ身体は固まってしまい、かなりゆっくりなジョグしかできなかった。エイドを出て2㎞くらい走ったところで、深夜1時過ぎにも関わらず応援してくれる人がいた。なんとボラを終えたアヤノさんだった!思いがけない応援にテンションが上がり、元気が出てペースも少しだけ上がった。そのあとの1km先の分岐では、今度は応援からボラに変わった敏彦さんがいてまたまた元気が出た!!そのままイイ気分で走っていたら、今度はアワジちゃん、ミッチ、アヤカさんの3人組に遭遇!!!正直、みんな天使に見えた(∩´∀`)∩気持ち悪さや眠気も完全に吹っ飛び、最後の霜山登りパートに突入した。
深夜1時過ぎにこの区間だけでもたくさんの仲間や知り合いに会うことができた。応援してもらえる幸せを噛みしめ、何とか最後まで走り切ろう!とポジティブな気分で登り始めることができた。
Finishゲートを目指すぞ!と思ってはみたものの、やはり簡単ではなく、5分くらいで幻聴が聞こえ始めた。欲しがりな性格のせいか、更なる応援を求めていたらしく、女性の黄色い声援が何度も自分の前後から聞こえてきた。ところが、どこを向いても真っ暗な山の中で、声の主を見つけることはできなかった。少しだけ恐怖心を覚えてきたので、夜中の山での応援に期待することを諦めた。結果、幻聴は聞こえなくなっていった。気持ち悪さがなくなったことで、ペースを取り戻してきた感じはあった。けれど、また睡魔に襲われ始めたので、「1分間タイマーを掛けて座って気絶するw」というのを5回くらいやってだましだまし進んでいった。そのうち徐々に覚醒し始め、やっとの思いで下りパートに突入。ただ、膝の痛みやエネルギー不足感があったので、無理に飛ばすわけでもなく、リズムよくダメージ最小限で下る意識で進んでいった。そのお陰で、どうにか下り切る事ができたが、過去3年間で霜山登り下りパートは一番時間が掛かってしまった。
その後、富士急ハイランド周辺は走ったものの、コニファーフォレストからの登りは全く走る気が起きなかった。いろんなことがあったせいか、自らを奮い立たせる気持ちはどこかへ飛んで行ってしまっていた。そんな中、今頃回復してきた胃腸の空腹シグナルがギュルルルゥ~ッと半端なかったので、お菓子を食べながらとにかく一歩でも前へと歩き続けた。
そして、何とかFinish地点の北麓公園に入り、最後は走ってFinishゲートへ。ゲート前には、なんと早朝にもかかわらず妻と息子が待っているというサプライズがあり、高松山グルグルクラブの仲間や知り合いにも見守られながらやっとの思いでゴールすることができた!!!!!
FINISH 北麓公園 166.6km 28時間45分 79位、 区間: 18.8km 3時間34分
今回のMt.FUJIはメンタル的に相当キツかった。そもそも準備が過去に比べてできていなかった時点で、ある程度の結果しか出せないであろうと弱気になっていた。しかも、序盤で膝が痛くなりペースを上げられないなか、果たして自分は中途半端に何をやっているのだろう…と葛藤しながら進んでいた。いろいろなところで仲間や知り合いに元気をもらうばかりで、自分は何のために走っているのだろうか…?と疑問を持ちながら走り続けていた。それでも、会う人みんなが応援してくれたり、褒めてくれたので、それに少しでも応えるために『何があってもFinishテープを切るぞ!』と意識を変えることができた。
改めて、自分の心は弱いし、ひとりでできることは限られているし、100マイルって難しくて本当に奥が深いなぁ…と思えるレースになった。
振り返ってみると、二十曲からゴールまでのタイムが去年に比べて2時間半以上遅くなってしまった分、脚の疲労度はたいしたことがなく、出し切った感じがしないし、時間が経つにつれてもっとやれることがたくさんあったんじゃないかと思える。次の日の高松山グルグルも意外と走ることができたし…w
みんなにもらった声援に応えられるように、もう一度挑戦するしかない!と思っている自分がいる。また一年かけてコツコツと自分自身を進化させ、もう一度FUJIにチャレンジしたい。あれっ!?あれほどリタイヤする理由や卒業を考えていたのに・・・これって毎回起きる『辛かった記憶消し去り&想い出美化モード』ではw きっとこの繰り返しで自分は成長するのかなぁ。とりあえず、FUJI卒業は撤回します(*´ω`;)
自分の姿を見てもらうことで、周りのみんなが何かを感じてもらえたらいいなぁ~と思っていたけど、結果としてはたくさんの人たちに支えられ、助けられた大会になりました。もっと強くなって、またここへ帰ってきますw
みなさん、本当にどうもありがとうございました!