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哲学ごっこ

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当note内で哲学や学術的な分野や様々な説などを扱った記事をまとめました。
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2024年9月の記事一覧

永久機関は可能か

エントロピーエントロピーは物理学における熱力学と統計力学で特に使われている。 熱力学におけるエントロピー エントロピーは系の「乱雑さ」や「無秩序さ」を表す量で、熱力学第二法則によれば孤立系のエントロピーは常に増大するか一定に保たれる。これは、自然界のプロセスが不可逆的であることを示していて、熱が高温から低温へと自然に移動するのはエントロピーが増大する方向だ。 統計力学におけるエントロピー ある系が取り得る微視的な状態の数が多いほどその系のエントロピーは高くなる。ルー

その情報は本当に正しいのか

統計信頼区間を得るために必要なサンプルサイズは調査の目的や許容誤差(マージン・オブ・エラー)によって異なる。 一部の地域で行った場合、例えば日本人が何人いるのかと日本国内で行えば必ず偏りが生じる。まず何の統計データを求めているかという判断が要求され、その回避は場からランダムに選出したり、極地的に行うことで良しとしたりする。そのサンプルサイズをおおよそ2000にすることで95%の整合性が取れるデータとして扱われる。 これは2000以降のデータ量においてその倍のサンプルサイ

量子コンピュータのこれから

量子コンピューティング量子ビット(qubits) 量子ビットは量子コンピュータの心臓部とも言える存在です。従来のコンピュータが0か1のビットで動作するのに対し、量子ビットは0と1の両方の状態を同時に抱きしめることができます。この奇跡のような現象を”重ね合わせ(superposition)”と呼びます。 量子ビットは電子のスピンや光子の偏光といった、量子力学の神秘的な特性を駆使して実現されます。 量子ゲート 量子ゲートは量子ビットの魔法を操るための鍵です。従来の論理ゲ

ブラックホールは宇宙を破壊しない

ブラックホールが宇宙を破壊しない理由は、いくつかの理論と現象によって説明されています。 宇宙検閲官仮説宇宙検閲官仮説(cosmic censorship hypothesis)は、1969年にイギリスの天才物理学者ロジャー・ペンローズによって提唱されました。この仮説は、宇宙の深淵に潜む特異点がまるで神秘のベールに包まれるかのように、外部から決して観測されないよう「検閲」されているという壮大なものです。 この仮説によれば、ブラックホールの内部で繰り広げられる極限の物理現象(

人間に何故寿命があるのか

寿命は生物が進化の旅を続ける中で、どのようにして生態系の中で重要な役割を果たしてきたのかを示すものです。その長さには無数の要因が絡み合い、影響を与えています。生物の寿命を理解することは生命のメカニズムや環境との繊細な相互作用を解き明かす鍵となるのです。 生物の寿命生物の寿命とは、個体がこの世に存在し続けることができる貴重な時間のことです。この時間は種によって大きく異なり、短いものから長いものまで様々です。例えば、ハエの寿命は数週間という儚いものですが、クジラや樹木は数十年か