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ブラックホールは宇宙を破壊しない

ブラックホールが宇宙を破壊しない理由は、いくつかの理論と現象によって説明されています。


宇宙検閲官仮説

宇宙検閲官仮説(cosmic censorship hypothesis)は、1969年にイギリスの天才物理学者ロジャー・ペンローズによって提唱されました。この仮説は、宇宙の深淵に潜む特異点がまるで神秘のベールに包まれるかのように、外部から決して観測されないよう「検閲」されているという壮大なものです。

この仮説によれば、ブラックホールの内部で繰り広げられる極限の物理現象(特異点)は、まるで宇宙の秘密を守るために「検閲」されているかのように外部からは決して観測されることはありません。これにより、ブラックホールの影響が外の世界に及ぶことが厳しく制限され、宇宙の秩序が保たれているのです。

降着円盤と放射圧 :
ブラックホールに物質が吸い込まれる際、降着円盤と呼ばれる高温のガスの円盤が形成される。この円盤から放射される高エネルギーの光が外向きの圧力を生み出し物質の降着を抑制する。

ブラックホールの重力の範囲 :
ブラックホールの重力は非常に強力だが、その影響は事象の地平線を超えると急激に減少する。したがって、ブラックホールが宇宙全体に破壊的な影響を与えることはない。

▲外部に及ぶことの制限。

これらの要因が絶妙に絡み合うことで、ブラックホールは宇宙全体を破壊することなくその壮大な存在を保ち続けることができるのです。


特異点とは?

特異点とは、重力が無限大に達し、物理法則が崩壊する神秘的な場所です。ブラックホールの中心に潜むこの特異点は、通常、事象の地平面(ブラックホールの境界)によってその姿を隠されています。


宇宙検閲官仮説の種類

弱い宇宙検閲官仮説 :
ビッグバンの初期特異点以外の裸の特異点は存在しないとする仮説。

強い宇宙検閲官仮説 :
すべての特異点は事象の地平面に隠されるとする仮説。

仮説の意義

この仮説が成り立つことで特異点が外部に影響を及ぼすことなく、宇宙の物理法則が一貫して適用されることが保証されます。しかし、もし裸の特異点が存在すると物理法則が崩壊し、予測不可能な現象が巻き起こる可能性があるのです。

特異点(singularity)は物理学や数学において極めて重要な概念です。以下にその概要を説明します。


特異点の定義

特異点とは、物理法則や数式が通常の方法では適用できなくなる、まさに宇宙の謎が凝縮された点です。具体的には以下のような状況が含まれます。

重力の特異点 :
ブラックホールの中心にあるとされる点で重力が無限大になる場所で、ここでは一般相対性理論が破綻し、物理法則が適用できなくなる。

時空の特異点 :
宇宙の始まり(ビッグバン)やブラックホールの内部に存在するとされる点で、時空が無限に曲がる場所。

数学的特異点 :
関数や方程式が定義できない点や無限大になる点。例えば、f(x)=x1​のx=0が特異点だ。


特異点の種類

裸の特異点 :
事象の地平面に隠されていない特異点で外部から観測可能なもの。宇宙検閲官仮説によれば裸の特異点は存在しないとされている。

降着円盤の特異点 :
ブラックホールに物質が吸い込まれる際に形成される降着円盤に関連する特異点。

特異点は、宇宙の構造やブラックホールの神秘を解き明かす鍵となる極めて重要な存在です。


数学的な特異点

関数や方程式が通常の方法では定義できない、または無限大に達する神秘的な点を指します。以下に、数学的特異点の詳細を説明します。

可除特異点(Removable Singularity) :
ある点で関数が定義されていないが、その点を除いた周囲では定義されている場合、その点を「可除特異点」と呼ぶ。例えば、f(x)=xsin(x)​はx=0で定義されていないが、x→0lim​xsin(x)​=1なので、x=0を除けば連続だ。

極(Pole) :
関数がある点で無限大に発散する場合、その点を「極」と呼ぶ。例えば、f(x)=x1​はx=0で無限大に発散する。

真性特異点 (Essential Singularity):
関数がある点で非常に複雑な振る舞いを示し、無限大に発散するだけでなく、周囲の任意の小さな領域であらゆる複雑な値を取る場合、その点を「真性特異点」と呼ぶ。例えば、f(z)=ez1​はz=0で真性特異点を持つ。


特異点の例

関数の特異点 :
f(x)=x1​はx=0で特異点を持つ。

複素関数の特異点 :
複素解析において、関数f(z)=z1​はz=0で極を持つ。


特異点の応用

特異点の概念は、解析学、代数幾何学、微分方程式論など、多くの数学分野でまるで宝石のように輝く重要な役割を果たしています。特異点を解析することで関数の挙動や解の性質を深く理解する手助けとなるのです。

特異点には他にもいくつかの種類があります。以下にいくつかの例を挙げます。

孤立特異点(Isolated Singularity):
関数がその点の周囲で定義されているが、その点自体では定義されていない場合を指す。孤立特異点はさらに以下の3つに分類される。

可除特異点(Removable Singularity):
特異点を除去しても関数が連続になる場合です。例えば、f(z)=zsin(z)​はz=0で可除特異点を持つ。

極(Pole):
特異点で関数が無限大に発散する場合で、例えば、f(z)=z1​はz=0で極を持つ。

真性特異点(Essential Singularity):
特異点で関数が非常に複雑な振る舞いを示し、無限大に発散するだけでなく、周囲の任意の小さな領域であらゆる複雑な値を取る場合だ。例えば、f(z)=ez1​はz=0で真性特異点を持つ。

集積特異点(Accumulation Point):
特異点が無限に集まる点。例えば、関数f(z)=n=1∑∞​z−n1​は、z=n(nは自然数)で集積特異点を持つ。

曲線の特異点

曲線の特異点には以下のような魅力的な種類があります。

結節点(Node):
曲線が交わる点。例えば、x2−y2=0は結節点を持つ。

尖点(Cusp):
曲線が尖っている点。例えば、x3−y2=0は尖点を持つ。

嘴点(Rhamphoid Cusp):
曲線がくちばしのような形をしている点。例えば、x5−y2=0は嘴点を持つ。

これらの特異点は、数学や物理学の世界でまるで星々のように輝く重要な概念であり、関数や曲線の挙動を深く理解するための鍵となります。


まとめ

これらは物理学を破綻させる特異点は宇宙に存在することを意味していて、ただ、そうならないようにブラックホールの中に特異点を隠すようにして検閲官が存在するのでは無いかという説だ。

特異点が生じるとブラックホールも生じる、これが宇宙の中にプログラムのように存在しているのではというもの。

これからAIが発展していく流れでこれもいつかは明らかにされていくのかもしれない。

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