人は話し方が9割
「もっとうまく話すことができたなら……」と、話し方にコンプレックスを抱くビジネスパーソンは少なくないだろう。世の中に「話し方」についてのビジネス書が溢れていることからも、それがわかる。
その中でも本書は、営業マン向けでもなければ、プレゼンテーションのコツを題材にしたものでもない。「大切なことを適切なタイミングで話せる人になりたい」「思っていることを正直に言えない」「沈黙の時間が怖い」などといったリアルな悩みを解決してくれる一冊である。
本書の著者が提案する方法のひとつは、「苦手な人との対話を避け、好きな人と話す時間を増やす」ことによって、コミュニケーションが上達する好循環を作り出すというものだ。好きな人と会話すれば、会話が弾む。その結果、徐々に自信がつき、「話しづらいな」「苦手だな」と感じることが減り、より多くの人と話せるようになる――というわけだ。
本書で取り上げられるのは、特別なシーンにおける話し方ではない。上司や家族、友人などといった身近な人たちとのコミュニケーションを円滑にするコツだ。その理由は、人前でプレゼンテーションする機会はそう多くないが、日常的なコミュニケーションは1日に何度も繰り返すものだからだという。
本書で紹介されるメソッドは、どんな立場の人にも大きな効果を発揮するだろう。話し方に悩んでいる人は、ぜひ読んでみてほしい。ビジネス書の選手権「タマダービー」で第1位にも選ばれた、実力派の一冊だ。
本書の要点
要点1
コミュニケーションがうまい人は、「拡張話法」を使っている。拡張話法は、感嘆→反復→共感→称賛→質問の5ステップで相手の話を広げるテクニックだ。このテクニックを使えば、相手は気分をよくし、次々と話を展開させていく。要点2
話題がないなら、無理に話す必要はない。それよりも、話しやすい人と話して会話力を高めよう。要点3
「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」の「4Dワード」を口にする人、つっこんだ男女関係や下ネタを話す人、相手の話を奪う人は嫌われる。
ぜひご購入ください!