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第30回日本山岳耐久レース(24時間以内)~「長谷川恒男CUP」(通称ハセツネ )に参戦してきた。


初めてのハセツネ参戦に伴い準備した事や当日に感じた事などを備忘録的に書き綴ってみたのですがダラダラだと長いので簡潔にまとめだけ最初に書いておきます。



雨でトレイルは泥濘の泥んこ祭りで転倒しまくって大変だったけど、涼しいお陰で消耗せずに目標タイムで完走できた。

装備や補給計画など戦略的な事を組み立てるのが面白かった。

走力よりも経験や特化した練習が完走のカギだと感じた。走力で言うとフルマラソン6時間くらいで十分な印象。

最初で最後という気概で参加したが、フィジカル、装備等あまりにも過不足な事が多過ぎたので、全く違う条件で(例えばめちゃめちゃ暑い日)などにチャレンジしてもいいかなーと思った。

1番しんどかったのはゴール後の泥々のぐちゃぐちゃの着替えと帰宅後の洗濯でした。

大会運営、ボランティア、応援者の方々ありがとうございました。










備忘録兼レース振り返り。

思い起こせば2015年頃この大会の存在を知った。
1度走っておくかと2016年に優先エントリー権を獲得し、エントリーするも仕事の為DNS(Do not start)。
翌年の2017年、エントリーするも仕事の為DNS
2018年はエントリーせず。
2019年はエントリーするも台風19号の影響で大会中止。
2020年は新型コロナの影響の為大会中止。

一度もスタートラインに立つ事なく6年が過ぎてしまった。

縁がなさそうだしもう別に良いかな?などと思ってはいたが、どこかモヤモヤした感覚が残っていた。

2022年になり、久しぶりに開催されると知り、モヤモヤを晴らすかと一念発起。ふるさと納税枠でゼロ次関門を滑り込みで突破しエントリーした。

コースは約95%がトレイルでほぼロードは無しの71.5km(公式)
奥多摩山域をぐるりと時計回りに一周するコース。

合計の登りは4,582m(公式)、一回の登りが最大でも400m弱。
大きな登りはないが、細かいアップダウンが続くコース。

制限時間は24時間で割とゆるめ。

この大会の特徴は2つ
1. 昼の13:00スタートのため、ほとんどが夜の時間帯になる事。
2. 補給は42km地点の1箇所のみで、ポカリか水の500mℓペットボトルを最大3本まで補給することができる。(その後は3カ所で天然水は補給可能)


大会3週間前にトライアスロンがあったので、今回のレースに特化した練習に充てられる時間は3週間のみ。
休みの日に前半コース2回と後半コースを1回試走。他の日は坂ダッシュで上り耐性作りと長めの帰宅ランで距離耐性作り。
直前の4日はダメージ抜きの為に走らずウォーキングとプールでの水中ウォーキングとサウナ。


前日
脱水予防の為にOS1経口補水液を多めに摂った。
準備に意外と時間を使ってしまったが5時間くらいは寝れた。アルコールは控えた。


レース当日
スタートが13:00の為、気持ちに余裕を持って会場へ向かうことが出来た。これは午後スタートの良いところ。朝食は蕎麦と玄米ご飯の低GIダブル炭水化物。

会場には1時間ほど前に到着しゼッケンと参加賞を受け取り準備してからボケーっとしてスタートを待った。
スタート45分前から開会式が始まり、スタート会場へ移動。

開会式をストレッチしながらみてた。

今回は記念大会の為過去の優勝者やレジェンド達が登壇。そして何人かは参戦と贅沢な大会だった。

今回のスタートは2wave制
12:45 第1waveエリート選手がスタート
13:00 ハセツネダブル、後はゴール予測タイムの早い順にスタート。
自分は15時間目標の為
エリート選手のスタートとダブルの選手を見送ってからゆっくりスタート地点へ移動した。


ハセツネ ダブルの選手
ハセツネ ダブル豪華すぎるゲスト達


10秒前から皆でカウントダウンしてスタート!
スタートのゲートを通った時は
エントリーから6年かかってやっとの事でスタートを切れた事にシビレタ。


【レースプラン】
• 目標時間は15時間台。
• 平均1kmを14分半で進んでゆけば十分間に合うペース。
• 標準コースタイムが26時間55分なので60%まで圧縮すれば良いだけ。
• 後半潰れないように最初のロードだけ走る。
• トレイルに入ってからはハイキング感覚で第一関門の浅間峠まで行く。
• 残りの行程の登りは歩きで、フラットな部分と降りはジョギングペースで。
• 天候はスタート後3時間後から雨になり、朝まで続く見込み。最も標高の高い三頭山を通過する頃には気温が6°Cくらい。停滞すると低体温になる恐れがあるので、装備変更や補給の際はなるべく直ぐに動き出す。または、動きながらやる。


【補給等スケジュール】
醍醐丸15km地点
• ヘッドランプ出す。
• カロリーメイト2本摂る

浅間峠22km地点
• ストック出す
• カロリーメイト2本摂る
• (ホッカイロ出す)

月夜見42km地点
• 給水
• マルトデキストリン作成
• ヘッドランプ交換
• スマホ充電
• おにぎり食べる
• カロリーメイト2本摂る
• (ホッカイロ出す)
• ポッケのゴミをザック袋へ移す。

大ダワ50km地点
• カロリーメイト2本摂る



さて、レース振り返りに戻ると。

■スタート〜入山峠(7km地点)
今熊神社までのロードはフラットな為予定通り走れた。
今熊神社からの登山道入り口に石川弘樹さんがいて皆に声かけてくてた。贅沢だ。
登山道に入ってからは渋滞が起きていて、止まったり少し動いたりの繰り返し。"ハイキング感覚で進む"予定だったので丁度良い感じ。

入山峠
ここではなんと世界の上田瑠偉選手が選手を応援してた。
なんとも贅沢な演出。

選手を応援する世界の上田瑠偉選手
instagramより
ちなみに左の白いキャップが私



■入山峠〜醍醐丸(15km地点)
細かいアップダウンを繰り返しすすむ。
ペースはゆっくりだったのでダメージも消耗もなく進めた。
醍醐丸手前からパラパラと雨が降り出した。
醍醐丸はトレイルに入ってから最初に訪れる盛大な応援スポットで山深い所ではあるがギャラリーが多く選手達を盛り上げてくれている。通過した時は心震えた。
本来ここで小休憩し補給とヘッドライトを装備する予定であったが、今後天候が悪化する前になるべく距離を稼ぎたかったのと、さほど消耗していなかったので先を急いだ。



■醍醐丸〜浅間峠(22km地点)
醍醐丸を過ぎしばらくすると雨足が強まってきたので、レインウェアを着込みヘッドランプを装着した。トレイルは泥濘と化し急な登り降りはツルツル滑って転倒しまくった。
フラットなトレイルも油断すると前に後ろに滑ってアイスバーンのような感じ。
何度も転倒を繰り返しつつも第一関門の浅間峠に辿り着いた。
順位526でタイム4:31:36
45分ほど前倒しで到着できた。
トレイルの状況の割にはタイムは良かった。



■浅間峠〜三頭山(36km地点)
浅間峠でカロリーメイト2本摂りストックをとテムレス(お気に入りの防水グローブ)を装備した。ここからは割と走れるトレイルがあるので楽しみ。
ところがトレイルの状態はさらに悪化しドロドロ。
踏み込んだ靴が泥沼に吸い付いてスポーン!と靴脱げた時は思わず笑ってしまった。(この後ゴールまで2回ほど脱げた)。

何度も転倒しながらも平坦な箇所はストックでバランスをとりながら、登り下りは笹や立木を掴んで何とか進んだ。
この時はガスも結構出て来ていたので見通しが悪く。先行する人の後ろに付かせてもらい進んだ。
ハンドライトを持って来てはいたが、ストックを手放してそれに片手を割く訳にはいかなかったので、今回は使用せず。
周りの人達の装備を見てるとウエストライトが調子良さそうだったので導入を次回検討すべき点。

失敗だったのは、水の粒子に光が乱反射して視界が短くなるのを防ぐ為にライトにイエローフィルターを付けなかった事。

三頭山付近までは15人位のパックで進んだ。

三頭山が近づくと石や岩の道が増え進むのが容易になってきた。
三頭山直下の避難小屋に到着するとパックで進んでいた皆は休憩に向かった。
自分はそのまま進みしばらくは一人旅。

急峻な道を上り詰めるとレース最高峰の三頭山に到着した。
山頂でお腹が空いてきたのでカロリーメイト2本とトレイルミックスを少し摂った。


■三頭山〜月夜見第二駐車場(42km地点)
三頭山から鞘口峠までは一度大きく降る。
注意しながら下るもやはり転ぶ。
とにかく怪我でリタイアだけは避けたいので慎重に慎重に。

鞘口峠(38km地点)
気温が下がりペースもゆっくりの為体温も上がらず。体が芯から冷えてきた。
ここから都民の森へ降れば屋根のあるところで休みながら暖かい飲み物をとれる。
そんな甘い誘惑を振り切って先へ進む。

ここからは割と選手もまばらで、一人で進む時間が増えてきた。

途中一緒になった選手と少し話しながら進ませてもらった。初参加で楽しく走っているみたいで良い刺激となった。

細いシングルトラックで転んでちょっとした崖に落ちそうになって一瞬ヒヤリとしたが、無事に第二関門の月夜見第二駐車場に辿り着いた。
順位428
タイム9:15:17
いつの間にか100人程パスしたようだ。
タイムは目標より3分程押してはいたが、ほぼ想定通り。


■月夜見第二駐車場〜御前山(46km地点)
月夜見第二駐車場に着いた頃が一番雨が強く土砂降り。

月夜見第二駐車場ではコース内で唯一補給を受けることができる。
ポカリ500mℓか水のペットボトル500mℓ最大3本(1,500mℓ)までではあるが。

大会レギュレーションで水分は2ℓ以上を携帯しなくてはならなかったので、今回は500mℓの水にマルトデキストリンを溶かしたものとOS1を500mℓと水1,500mℓをザックに持ってスタートしたが、ここまでに消費したのは750mℓだけだった。

エイドでポカリ2本だけ受け取りしばし休憩と思ったが、さすがハセツネらしく雨を遮るテントなどなく雨晒しの駐車場にブルーシートが敷いてあるだけ。

想像してはいたけれど、やはり甘くないです。

ブルーシート上は水たまり状態だったので、端にあるコンクリート部分でおにぎりを貪りボトルに残っていた水分で流し込み、空いたボトル2本にポカリを詰め替えた(予定通り1つのボトルにはマルトデキストリンを加えた)。
ヘッドライトを予備と交換し、スマホを充電、ポケットのゴミをザックの袋に移し、後半用のジェルやBCAA等をザックのフロントポケットやウェアのポケットに振り分け低体温気味になって震えが出てきたのでミニホッカイロを2つ出し、事前に考えたルーティンは完了。
あまりの寒さにリタイアも考えたが、リタイアしたところで、どうせリベンジのために一年間色々やる羽目になるのは分かりきっていたので、レース参加は"最初で最後"と再スタートした。

月夜見第二駐車場からはちょっとしたスキー場のゲレンデみたいな道を大きく下る。
滑り台のように滑りまくるので端の立木や笹をロープ代わりに掴んで下った。
下った後は出力を上げて進んだ。
おかげで体も温まり指先の感覚も戻って来たので一安心。

御前山へは割と登りがあるのだが、登りの得意な自分にとっては丁度良い感じ。しかも夜で視覚からの情報が少なくなっていると登りという感覚もさほど感じない。

御前山前後はトレイルが整備されていて木製のしっかりしたステップが設置されているので快適に進めた。

ありがたい。


■御前山〜大ダワ〜大岳山(53km地点)
御前山を過ぎれば大きな山は大岳山のみなんとなくゴールがイメージ出来て来た。
淡々と進んでいくと大ダワに到着、トイレ休憩と小腹が減っていたのでトレイルミックスを少し食べた。

大ダワから大岳山はそれほどの登りは無いので問題なく進めた。
大岳山直下からはゴツゴツとした岩が出てきて時には手を使いながら登る場所もあるので刺激になった。

大きな山の山頂にはスタッフが配置されていてカウベ ルを鳴らして選手を迎えてくれている。その音が聞こえると山頂が近い証拠。自ずとペースも上がる。

ラスボスの大岳山に無事到達。
想定内のペースで安心した。


■大岳山〜ゴール
大岳山からの降りは岩のトレイルで標高を下げる。泥で滑らないが、捻挫などに気をつけながら進んだ。
ゴールまでは18kmで1,200m標高を下げる下り基調。御岳神社までは道幅も広く割と走れる好きなルート。足のダメージを最小限にしながらチョコチョコ走りながら最終関門へ向かった。

降りでは結構抜かれた。どうやら降りが苦手らしく、まだ伸び代があるのかな?

途中綾広の滝上部の天然水で泥々のグローブを洗い。な
御岳神社を通過。

御岳は宿坊や土産屋などがあるので、半日ぶりに人間界に戻ってきた感覚がしてホッとした。

御岳を過ぎるとすぐに小さいピークの日の出山へ到着。確か20分ほど押していたと思う。

残りは約10km、緩やかに長く続く下り坂の金毘羅尾根を走れればゴール。

山頂でスタッフさんがあと1時間くらいでゴールだから!と声かけてくれたけど、この泥沼のようなコースをあと、10kmをキロ6分は流石に無理っしょ!と内心思った。

この金毘羅尾根で走れるように脚を残し走ったつもりではあったが、後々ラップタイムを見ると9:30/kmとパワーウォークくらいのスピードだった。
(本人は走っているつもりだったのですが)

それでもなんとか走っている人の後ろに付かせてもらい走れる所は走った。

8km程進み金毘羅尾根が終わり林道を駆け下り、住宅街に出た。

残り距離700mをフルダッシュしてゴール!


タイム15:19:55
順位は男子376位
総合で417位でした。



■反省点
• シューズの選択は最大のミスだった。ラグが減りすぎててツルツル滑った。
• 携帯した補給に関してはかなり過剰だった。
• バックパックに積んだ水の1,500mℓは結局1mℓも使わずただの重りでした。補水に関しては1500mℓでスタートからゴールまで行けたので同条件だと完全無補給で行ける感じ。
• ライトの改造もやっておくべきだった。

反省点は多々あれど、想定内でクリア出来て良かった。

ゴール後に配ばってくれたカップ味噌汁が美味しかった。

ゴール後に泥々のシューズから計測チップを外してくれたスタッフさん、完走証や完走賞を用意して下さったボランティアさん深夜にありがとうございます。

大会運営やボランティアの皆さん山深い所での分岐誘導など悪天候の中選手以上に大変だったと思います。
感謝です。



余談ですが、今回1番しんどかったのはゴール後の泥々のシューズ、ウェア、装備から普段着への変更と洗濯でした。

洗う場所がなくて、マジどうしていいか分からなくて、10分くらい放心状態でした。

結局一旦全部脱いで大きめのポリ袋に全てぶっ込んで、エコバッグに入れて持ち帰り、手洗いガシガシやって洗濯機で2度洗いして何とか汚れが落ちたから良かった。

膝と腸脛靭帯のテーピングを剥がした時、日焼けの跡みたいになってて、、、

あれ?

日差し出てなかっよなー?

ほとんど夜なのになんで?

結論
泥溜まりや沼状態の中走ったり転んだりしてたので膝とか腿周りに薄っすらと泥の膜が出来てたみたいです。
マジびびった。

完走証と完走賞と参加賞
今回の装備品
今回携帯した補給食
余った補給食
過剰でした
旅を共にしたAltra Olympus4もはや何のシューズか判別不能
雨の日3種の神器
mont-bell ゴアテックス防水ソックス
ホッカイロShowa グローブのテムレス



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