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主要コンテンツInsight(https://insight.eisnetwork.co)では、今世界で起きている最新のビジネス・テクノロジー・消費者トレンドを、欧米を拠点に事業…
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AIチャットによる変革の到来

本サイトでも1月に言及したChapGPTの勢いが加速しています。今年に入ってからでも以下の大きな動きがありました。 マイクロソフトがOpenAIに100億ドル投資(1/24) 有料版「ChatGPT Plus」を発表(2/1) ユーザー数が史上最速で1億人に到達(2/3) マイクロソフトが検索エンジン「Bing」へのAI導入を発表(2/7) OpenAIがGPT-4を公開(3/15) MicrosoftがOffice製品でChatGPTを利用できるCopilotを

SXSW 2023から学ぶ、最先端ビジネストレンド3選 〜ジェネレーティブAI・核融合・細胞農業〜

SXSW 2023は、2023年3月10日から3月19日にアメリカのテキサス州オースティンで開催された、世界最大級のクリエイティブ・カンファレンス&フェスティバルです。SXSW 2023から読み取る、今後確実にトレンドとなる3トピックをご紹介します。 ジェネレーティブAIの台頭「SXSW2023=ジェネレーティブAI」と言っても過言ではないほど注目が集まった領域。これは、2022年にChat GPT-3やDALL-E 2が普及し、「ジェネレーティブAI元年」とも呼ばれるよう

Natural Products Expo West 2023で見つけた、最先端の食品トレンド

3月7日から11日まで、カリフォルニア州のアナハイムコンベンションセンターで開催されたNatural Products Expo West 2023では、自然食品、飲料、サプリメント、パーソナルケア製品の新しいトレンドが今年も数多く紹介されました。3,000社以上の出展企業と67,000人以上の来場者が集まり、我々EISメンバーも年に2回の食の祭典に足を運んできました。ナチュラル製品業界の未来を垣間見ることができたトレードショーの中でも、特に我々が注目する食の最新トレンドをご

バイオ廃棄物をサステイナブルな動物飼料にアップサイクルするために活用される、ブラックソルジャーフライ幼虫の可能性

持続可能な動物飼料の生産方法として、ブラックソルジャーフライの幼虫(略称はBSFL:​​ アメリカミズアブの幼虫)を使った有機廃棄物のアップサイクルが世界中で人気を集めています。ブラックソルジャーフライは、大量の有機廃棄物を消費し、タンパク質が豊富な動物飼料に変換することができるハエの一種です。このように、ブラックソルジャーフライの幼虫を使って有機廃棄物を動物飼料に変えるプロセスは、廃棄物を貴重な資源に変える「アップサイクル」と呼ばれています。 最大42%のタンパク質と必須

急拡大するウェルネスツーリズムは日本再発見の絶好機

コロナ禍を経て心身の健康にこれまで以上に気を配るようになった人々によってウェルネス分野に注目が集まっています。ウェルネスエコノミーと呼ばれる世界のウェルネス関連事業は2020年に一時的に減少したものの、それでも年間4.4兆ドル(約600兆円)にのぼり、2025年までは年率9.9%での成長が見込まれています。ウェルネスエコノミーと一口に言っても、多種多様なカテゴリーが含まれます。最も大きな市場を形成しているのはパーソナルケア・美容で、健康な食事・栄養素・ダイエットなど食に関する

高齢者のウェルビーイングを支援する米国テック事情

高齢化は日本に限らず全世界で進行しています。米国では2034年に65歳以上の人口が18歳以下の人口を上回り、2060年には人口の23%、9,470万人との予測がなされています。 高齢者が人生を健康で元気に過ごすことは重要です。世界では高齢者の「ウェルビーイング:良好な状態」を測定し、より良い生活を実現する様々な施策の基準として活用しています。例えば米国ではFederal Interagency Forum on Aging-Related Statisticsが40の指標で

アメリカで広がる新しいサード・プレイス

家でも職場でもない、居心地のいい場所、サード・プレイス。1990年代からアメリカではスターバックスの普及により広く浸透し、人々は仕事の前後や休日などにカフェでコーヒーを飲み、好きな音楽を聴きながらパソコンや本を広げて趣味を楽しむという光景が当たり前になりました。その結果、アメリカのスターバックスは15,000店以上に拡大し、今ではマクドナルドを上回る店舗数(マクドナルドは全米に14,000店を展開)を誇っています。しかし、その流れを一変させたのが新型コロナの大流行でした。人々

EVは果たして未来のモビリティの鍵となるのか?

電気自動車(EV)は、将来のモビリティの礎として、また多くの地域で運輸部門の脱炭素化のための主要な焦点として広く認識されています。電気自動車は、従来のエンジン車(ICE)に比べて、エネルギー変換効率が5~6倍高いと言われています。 再生可能エネルギーや原子力で充電した場合、同等の内燃エンジンやプラグインハイブリッドよりもはるかに低い二酸化炭素排出量となります。 そのため、バッテリーEV(BEV)は、既存のICEに代わる他の代替品(燃料電池EVなど)を優先してきました。過去

スターウォーズのホログラムが現実に? CES2023を賑わせた3Dディスプレイの今

1/4から1/8に米国ラスベガスで開催された世界最大のテクノロジーショーCES2023。今年は出展者数3,200社、来場者数11.5万人と、オミクロンの影響で大幅な来場者数減となった昨年の4.5万人から大幅に回復しました。オールオンラインとなった2021年を除き過去10年以上に渡り毎年CESに参加してきたExa Innovation Studioは今年も現地に赴き、最新のテクノロジートレンドをウォッチしてきました。本日はCES2023の中でも一際勢いを感じたVR/ARおよびメ

2023年のテックトレンドを大予想!注目すべき最旬キーワード3選

2022年のテクノロジートレンドはWeb3.0の実装であるNFT、メタバースが一気に進み、グリーンテックやサイバーセキュリティ等でも大きな動きがありました。日本でもNFTブームが到来し、AIによる画像生成、テキスト生成が話題になりました。 2023年はどのような年になるでしょうか。本記事ではGartnerやDeloitteが発表したテクノロジートレンドを元に、EISが注目する技術トレンドを述べていきます。 AI実用化が加速し、AIツールのリスク対応が強化されるこれまではど

イノベーションアワードから読み取る、CES2023の見どころ

2023年1月5日から、米国ラスベガスでCESが開幕されました。CESとはConsumer Electronics Showの略で、1967年、ニューヨークにて家電の見本市としてスタート。今日では世界最大規模のテクノロジーとイノベーションの祭典です。 CES2021は完全オンライン、CES2022ではオミクロン株の影響で相次いでAmazon、Google、Microsoftなど大手企業が出展をキャンセル、と2年連続で従来のCESの勢いはありませんでした。今回のCES2023

ケニアの電動モビリティブームはサステイナブルに実現可能なのか

ケニアでは、最近、電動モビリティ市場が急成長しています。公共交通機関が整備されていないため、旅客輸送の大部分は「ボダボダ」と呼ばれるモトタクシーでまかなわれています。 現在、ケニアだけでも200万台以上のオートバイが登録されています。東アフリカ地域全体のオートバイの登録台数は500万台以上と推定されており、このセグメントは15%以上の成長率を遂げています。電動モビリティにとって大きな市場であり、ケニアでは多くの注目と投資を集めています。 コンサルティング会社Dalberg

海が次世代の住処になる日は近いのか?

地球表面の70%を占める海洋は、未だほとんど未開拓のままです。しかし、近年の技術革新の波は、私たちの海に対する考え方や接し方に変化をもたらしています。実際、2050年には、現在陸上で生活している1億5,000万人以上の地域が海面上昇の危機に晒され浸水すると予想されています。ベトナムのように、2050年までに人口の25%が浸水する国もあるほどです。これは、必ずしもこれらの場所が完全に消滅することを意味するものではありませんが、迅速に適応し、イノベーションを起こさなければ、多くの

MITが提唱する新たなストーリーテリングの在り方

ここ数年でストーリーテリングの注目度は上がっており、ブランド各社がストーリーを意識したマーケティングを打っています。そんな中、最近MITからストーリーテリングに関して興味深いレポートが発表されました。 MITが検証したストーリーテリングの効果このレポート内の検証では1つのリサイクル製品(今回の場合は財布)に2種類の売り文句をつけて効果を比較。1つ目でその商品が持つ利点を、例えば「今トレンドの〇〇柄の財布」や「小銭も取り出しやすい」などが挙げられます。2つ目は「昔、僕は車のタ