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歳を取るのが怖いのは、壮大な星空に圧倒されるのと似ている

ぼくらの未来は遠い星  




夜空に輝く星々。
目には見えるけど、決して届かない、遠い遠い綺麗な光。

それはなんだか、過去や未来に似ているような気がする。


私たちはみな、「今」にしかいない。
だけど、過去や未来というものを知っている。

確かではない記憶で過去を思い出す。
知恵と希望を詰めた頭で、確かではない未来を思い描く。

見えるといえば見えるけど、しっかりとは見えていない。
それくらい遠いところに過去や未来の光はある。


私はなんだか、歳を取るのが怖い。
老いていくことが怖いというわけじゃない。
ただ、過去と経験が積み重なっていくのが怖いのだ。

今よりもっと歳を取って、40,50の「いい大人」になったら。
その頃にはきっと今の自分には想像できない成熟を、多かれ少なかれしているのだろう。

そしてそれと同時に、もう戻れない自分の姿も遠い場所に浮かべていくに違いない。
過去を抱えてしまいがちな私にとって、それはきっと重たすぎる荷物になる。

それはきっと遠い輝き。

そして、今の私が想像するそんな未来もまた、遠い輝き。


遠くの星へ行けるとして、それは途方もない旅だ。
過去からやってきた私の旅路も、これから歩んでいく未来への旅路も、星を跨ぐように途方がない。

過去や未来を覗くのは、星空を見るのに似ている。


だから私は、たまに星空が怖い。


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