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coro46
歳を取るのが怖いのは、壮大な星空に圧倒されるのと似ている
ぼくらの未来は遠い星
夜空に輝く星々。
目には見えるけど、決して届かない、遠い遠い綺麗な光。
それはなんだか、過去や未来に似ているような気がする。
私たちはみな、「今」にしかいない。
だけど、過去や未来というものを知っている。
確かではない記憶で過去を思い出す。
知恵と希望を詰めた頭で、確かではない未来を思い描く。
見えるといえば見えるけど、しっかりとは見えていない。
それくらい遠いところに過去や未来の光はある。
私はなんだか、歳を取るのが怖い。
老いていくことが怖いというわけじゃない。
ただ、過去と経験が積み重なっていくのが怖いのだ。
今よりもっと歳を取って、40,50の「いい大人」になったら。
その頃にはきっと今の自分には想像できない成熟を、多かれ少なかれしているのだろう。
そしてそれと同時に、もう戻れない自分の姿も遠い場所に浮かべていくに違いない。
過去を抱えてしまいがちな私にとって、それはきっと重たすぎる荷物になる。
それはきっと遠い輝き。
そして、今の私が想像するそんな未来もまた、遠い輝き。
遠くの星へ行けるとして、それは途方もない旅だ。
過去からやってきた私の旅路も、これから歩んでいく未来への旅路も、星を跨ぐように途方がない。
過去や未来を覗くのは、星空を見るのに似ている。
だから私は、たまに星空が怖い。