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「クロワッサン学習塾」を読んで
この週末は読書三昧でした。読んだのは「クロワッサン学習塾」(伽古屋圭市著)。
主人公は、小学校教員を辞めて父が営むベーカリーを継いだシングルファーザー(なぜ離婚したのかは書かれていない)。店の万引事件をきっかけに、小学生の息子の学校関係にご縁が出来て、そこから無償での学習塾を開講するというストーリー。
子供の成長を手助けするには学校教育と家庭とがどちらも重要ではあるものの、なにかのきっかけでそのバランスが崩れてしまうことがありますね。そんな時にしわ寄せが来るのは子供なので、主人公はそれを見て見ぬふりが出来ない。
この主人公は小学校教員経験があるだけに小学生の気持ちをくみ取れるし、さらには小学生の息子の親としての思いもあるので、他の家庭の事情や子供の特性がいろいろ「見えてしまう」。それだけに放っておけず首を突っ込んでしまって逆に迷惑がられて落ち込んだりする。
私はたまたま運が良くて、小学校のときから先生に恵まれました。ちまたで聞くような「でもしか先生(さすがに死語か)」に当たったことがないのです。ちなみに「でもしか先生」って、無気力でやる気のない先生のこと(詳しく知りたい方は検索してね)。
特に小5で転校した先の学校(中高一貫)は先生のレベルが高くて、生徒一人一人がどうやったらその能力を伸ばせるかということに熱心な先生が多かったのです。中学時代に「勉強って楽しい」と思えたのは先生方のおかげ。
小学校の教員が、授業準備よりも部活や保護者対応に時間が割かれてしまう話を聞く都度、もったいないなあ、と思うのですよ。
なので、主人公がベーカリーの仕事のかたわらで、授業についていけない生徒への指導を始めていることに、小説だというのにめちゃくちゃ応援してしまいました。
私もそのうちに何らかの形で、初等教育に携わってみたいなあと、ボンヤリと空想したりしています(←小学校教諭免許を取らないとダメではないのか)。