選択の少欲知足
気づくと今年も約2ヶ月となりました。
あっという間に年末になり、予定が多く入り師走感が加速していきます。
しかし人間の持てる時間は一日24時間。
だれであっても平等です。
どのように優先順位をつけ、どのようにモノゴトを選択していくか、その判断基準を自分の中に持てるだけで、時間を有効に使えるようになり、無駄な出費を抑えることが出来るようになります。
仏教の有名な言葉で『少欲知足』があります。
皆さんはこの言葉を聞くと「欲を抑えて、現状に満足するってことでしょ?」と思うかもしれません。
確かに、言葉の意味はその通りです。
しかし、実際にはなかなか難しいのが人間ですよね。
欲しいものはあるし、やりたい事も沢山ある!
そもそも現状に満足したら、成長出来ないし、欲を抑えたら経済が回らないと思う方も多いのではないでしょうか。
では、欲自体を抑えるのではなくて、行動を起こすタイミングで、どのような選択をするか?という時に『少欲知足』の思想を取り入れてはいかがでしょうか。
心理学用語に「Maximizer(マキシマイザー)とSatisficer(サティスファイサー)」という言葉があります。
Maximizerとは常に最良の選択を追求する傾向にある人を指し、Satisficerとは、他により良い選択肢があろうとなかろうと自分の基準に見合うもので満足する人のことを指します。
例えば、あなたはマグカップを買おうと商品を探しています。
可能な限り、ネットショップやリアル店舗でマグカップを比較し、容量、デザイン、料金、ストーリー性などを調べて、最適解を目指すのがMaximizer。
一方、ある程度の商品を見て、自分が使う上で満足出来そうなものが見つかったら、それを購入する、もしかしたら更に調べればより良いものがあるかもしれないけど、自分の目的に合致したこのマグカップで満足して使用する、というのがSatisficerです。
どちらも一長一短ありますが、情報が洪水のように増え続ける現代では、Maximizerは心理的負担が大きいですよね。
実際に選択後の心理状態を調査をすると、Maximizerの方が後悔が大きいとあります。
最適解を選択しても、他にもっとよい選択があったのでは?と思ってしまうのかもしれません。
選択の『少欲知足』とは「すべてを比較して、最適解を出すという欲を減らして、自分の目的に合致したところで満足する」という意味に捉えると、日常生活でも仏教がグッと身近に感じるのではないでしょうか。
年末に向けて限られた時間、限られた資産を有効活用する為にも、利益の最大化を目指すのではなく、後悔の最小化を目指していきましょう。