芸術の秋/箱根 ポーラ美術館Vol.1 アール・ヌーヴォーを愉しむ
前回、横浜でコケてしまった、エミール・ガレ作品の鑑賞。
ポーラ美術館に事前問い合わせしたところ、ガレの作品自体の展示が7点のみだが撮影は全てOKとの事、しかもその他の創作家の作品も多数観られるとの確認が取れたので、時間を空けずに箱根に向かった。
前回まではこちら。
🔶ポーラ美術館
まずは、企画「20世紀の絵画とガラス工芸」を観て行きたいと思います。
今回、鑑賞中心でコメント挿入少なめで仕上げましたので、美術館に行った気持ちでお付き合い頂ければと思います。
各々の作品の下に作品詳細解説も貼付してますので、アンダーバーをクリックくださいね。
尚、作品の画像は拙いスマホ画像です。実物をそのまま再現出来ておりませんのでご了承ください。
まずは、企画展の絵画のうち目に留まった4点をご覧ください。
🔷アンリ・ルソー
🔷モディリアーニ
🔷ドーム兄弟
枝や花が上から下に垂下させる構図は、浮世絵などの日本美術の影響によるといわれている。
私にとっては、メインディッシュであるガレにいきましょう。
今回展示は7点のみですが、その前にちょこっとだけ学んでから進みたいと思います。
🔷エミール・ガレ
気になったので上記を抜粋してみました。
ここで、ジャポニズムとガレやドーム兄弟との関係性について、少しだけ考察してみたいと思います。
ガレやドーム兄弟らは、中心地パリではなく北部の地方都市ナンシーで切磋琢磨し技を磨いていた。
ここナンシーには、ゴンクール兄弟という日本美術の素晴らしさを美術家や文筆家、もちろん一般の人々にも論じた兄弟がいた。
彼等は、ロンドン万博(1851年)で多くの日本商品が出品され、中でも竹細工、漆器、歌麿や北斎の浮世絵などを見て、日本の美術に大きな感銘を受けることとなる。
その後、フランスで1867年にパリ万博が開催。
ここから本格的にフランスにも、日本の芸術が入って来る訳で、兄エドモン・ド・ゴンクールは1881年には「芸術家の家」と言う詳細な日本美術の紹介と詳しい解説を添えた本を出筆。
彼等は、元々作家で美術評論家だった。
兄エドモンが原稿を書き、弟ジュールが推敲するという形態を長年取ってきたが、弟が40歳で梅毒で亡くなった(1970年)あと、兄エドモンは一時期、筆が取れない時期もあったが以降持ち直し、小説、美術評論などを書き残した。
浮世絵研究の書として、「芸術家の家」以降に「歌麿」(1891年)、「北斎」(1896年)を著した。(両著ともアンダーバーをクリックすると日本語訳本の販売ページにリンクします。)
兄エドモンはジャポニズムの先駆者の1人とされるが、富山 高岡出身の画商 林忠正の協力も大きいとされている。
こうして、この兄弟の存在によりフランス・ナンシー在の芸術家は日本の美術に深い造詣を持つこととなった。
その代表格として、ドーム兄弟、エミール・ガレ、それに家具作家のマジョレルらがいる。
さらには、Wikipediaでは否定されたと記述のある高島北海の影響も受けたという仮説が唱えられていたが、明確な反証を元に否定されている。
底に近い赤色層に散らされた足を引き上げた姿勢のカエルのモティーフ群は、葛飾北斎の『北斎漫画』から引用されている。
🔶ガレとドームの違いについて
双方、同じように植物を題材にした作品を数多く残しているが、ガレは元々植物学者だったので、素養としての知識が豊富であり個人の趣向の違いも大きいとは思うが、幻想的な表現を好んだようだ。
🔷ルイス・C・ティファニー
あの宝飾店「ティファニー」の創業者の息子さんです。
アメリカにおけるアール・ヌーヴォーの第一人者。
今回の鑑賞はここまでです。
ざっと、観ていただきましたが、芸術の秋を少しは堪能いただけましたでしょうか?
🔶本日のランチ
まだまだ、展示品を鑑賞終えてないし、外に食べに行くにも大変。
ここは併設するレストランでランチするしかありません。
メインは魚をチョイス。
窓の外にも作品があって、敷地全体がアートで溢れている。
食後のデザートに栗のプリンとコーヒーをいただいて締めたいと思います。
🔶編集後記
ガレが北斎から受けた影響を具現化している作品がいくつもあるが、特に有名な「鯉文花器」は、北斎漫画の13編「魚藍観世音」に登場する鯉をそのまま用いて制作されている。
今回の展示作品の中では唯一、草花文耳付花器が北斎漫画から引用されています。
今後、諏訪 北澤美術館、六本木 サントリー美術館などを巡って更にジャポニズム、北斎との影響なども探って行きたいと思います。
ガレが北斎から受けたとされる影響に関する過去の記事を貼付しておきますのでご覧頂ければ幸いです。
1、アダチ版画研究所
2、マイナビニュース
3、青い日記帳
箱根ポーラ美術館Vol.1はここまでです。
Vol.2では、もうひとつの企画「印象派からリヒターまで」を中心にお見せしたいと思っております。
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